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突飛なタイトルで驚かれたでしょうが、今回は世の中にはすごい微生物がいるというお話です。漬物(古漬)や味噌、醤油は塩分が非常に多く入っています。漬物(古漬)や味噌、醤油が日持ちがいいのは、塩分が高いため雑菌がついても脱水状態になり増殖できないからです。イメージとしてはナメクジに塩をかけると縮むのと同様です。ところが御存知の通り、漬物(古漬)や味噌、醤油は微生物が作用してできる発酵食品です。ということは、漬物(古漬)や味噌、醤油には言ってみれば塩漬されない微生物がいるということなのです。味噌や醤油の塩分は15%を優に越えます。こうなると、発酵に関わる微生物は耐塩性が強い種類の乳酸菌や酵母達の独壇場です(耐塩性乳酸菌テトラゲノコッカス・ハロフィラ(Tetragenococcus halophila)の電子顕微鏡写真はここをクリック)。 食品にいる微生物ではありませんが、以前イスラエルにある死海という湖から取った菌を見たことがあります。死海は塩分が非常に高く、人間が湖に入っても浮いたまま読書ができるほどだそうな。その微生物を増やした液体に真水を加えると急に液体がドロドロになり、実験した方が驚いて、私のところに持ってきました。直感的に菌が破裂して死んだのだと思い、濃い食塩水を加えてみるよう提案しました。すると予想通り菌は破裂しませんでした。この死海の微生物は、濃い塩分のもとで生きられるような体のつくりになっているので、真水を加えると体に水が入ってきて、水風船のように膨らみやがて破裂してしまうのです。こんな変わった微生物がいるなんて微生物は奥が深いものと感心したのでした。 最近は米離れが進んでいるとはいえ、日本の主食といえばやはりはお米です。ご飯に始まり、もち、日本酒、煎餅やおかきなど、お米でできている食品は多々あります。以前、ネパール人の方からネパール料理を御馳走になったことがあります。ネパールにはチューラという食べ物があります。うろ覚えですが、米を蒸して、つぶして乾燥させたものだとうかがいました。そのチューラにヨーグルトや豆(大豆や小豆とは全く違う種類)を炒めたものをかけて食べるんだとか。それと一時はやったと思いますが、中華風焦げ御飯という料理を御存知ですか。炊いたお米を油で揚げて、揚げ御飯がまだ熱いうちに、中華あんかけをかけるという中華料理の一品です。あんかけをかけたときの音は、まさに雷を思わせる迫力です。味や見た目だけでなく、音も楽しもうという奥の深さ。まさに、米文化の広がりとはすごいものです。 紅茶にレモンを入れると、色が薄くなった経験はありませんか?紅茶の赤い色はタンニンが酸化したものです。テアフラビン(theaflavin)はタンニンが酸化されてできる様々な色素の中でも特に赤く、良質の紅茶には多く含まれているそうな。タンニンの色は酸性で薄くなり、アルカリ性で濃くなります。だから、酸性のレモンを加えると色が薄くなるのです。レモンティーを入れたら逆に色が濃くなったという方がいるかもしれませんね。そんな時はレモンを切った包丁に錆がないか見てみてください。紅茶の味と色は、ほんのちょっとの金属成分に影響されたりします。特に鉄分が入ると黒っぽくなります。これは鉄分がタンニンと結合して、黒色のタンニン鉄になるために起こる現象で、錆がないか見てみましょうと書いたのはこんな理由からです。この他にハチミツにも鉄分が含まれるので、同じ現象が起きます。紅茶を入れる水の質や湯沸かしの状態によっても影響を受けます。なんと紅茶は繊細な飲み物でしょう! ところで、紅茶の赤い色はタンニンが酸化した物であることは冒頭で御紹介しましたが、その赤い色はどうやって生まれるのでしょう。その秘密は製造工程にあるので、まずは紅茶の製造工程を順を追ってみてみましょう。まず、茶芽の水分を蒸発させてしおれさせ、茶芽を柔軟にするとともに酵素を働かせる下準備をする萎凋(いちょう)工程を行いまます。次に萎凋の終わった茶芽をからよく茶芽をもみ砕いて、酸化酵素を働かせる揉捻(じゅうねん)工程を行います。続いて茶葉の魂をほぐして篩で大小に分け、大きいものは再び揉捻する篩分(ふるいわけ)を行います。さらに篩分けした茶芽を湿度95%、温度25℃の条件に2〜3時間おいて酸化酵素を十分働かせます。これを発酵といいます。この場合、発酵といっても別に微生物が関わるわけではありません。発酵が終わった茶芽は乾燥されて紅茶になります。さてこの用に工程の中で何度も酸化酵素が働き、タンニンが十分に酸化されてはじめてあの特有の赤い色素ができてきます。紅茶のあの美しい色は手間暇かけて作り上げられる物なんです。 気温が低いときに紅茶を入れてしばらくおくと、クリームが混じったように白く濁ることがあります。クリームダウンと呼ばれるこの現象は、紅茶をゆっくりと冷やしたときに、紅茶に含まれるタンニンとカフェインが白く凝固しておきます。タンニンやカフェインが少ない茶葉を使えばいいのです。ただし、良質の紅茶はカフェインが多い傾向があります。また、紅茶を濃く出せば出すほどクリームダウンが起きやすいのです。ではどうすればクリームダウンを避けることができるのでしょう。容器に氷を入れ濃いめのホットティーを少しずつ注ぐのが一般的な方法です。これは急速に紅茶が冷やされるとクリームダウンが起きないことを利用したものです。クリームダウンが起こったら、少量のお湯を加えて少し紅茶の温度を上げると収まります。 コショウや唐辛子など身の回りの食品にはいろいろな香辛料が使われています。今回はそんなスパイスについて注目してみました。 <セージ> セージ(Salvia officinalis)はシソ科の多年草です。スパイスとなるのは、主に葉の部分です。セージの香りはツヨンとシネオールという二つの物質に由来します。セージの香りは魚や鶏肉、豚肉、マトンなど肉類の臭み消しに効果を発揮します。特に豚肉と相性がよく、ソーセージには不可欠な香辛料なんです。ソーセージのセージとは、このスパイスのことなんですよ。ちなみにソーというのは、豚肉または豚肉の塩漬けという意味だと言われています。セージをうまく使うコツは、下ごしらえか調理中に使うことです。こうすれば、セージの臭み消しの高価を最大限に発揮できます。なんとこのセージですが、ヨーロッパに紅茶が普及するまでは、セージを煎じたセージ茶が一般的だったとか。さて、スパイスには、大なり小なり薬理効果があることが知られています。セージには、老化防止と関連が深いとされる抗酸化性物質が、2種類(カルノシン酸とカルノソール)含まれています。そのほか西洋ではセージの葉を搾った汁をうがい薬や歯茎の出血止め、口内炎の治療に使っていたとか。 <オールスパイス> オールスパイスと聞くと、プロ野球のオールスター戦のような感じを受けますが、これは当たらずとも遠からずなんです。オールスパイス(Pimenta dioicalis)は、西インド諸島と中南米が原産の常緑樹の実です。コロンブスがアメリカ大陸を発見する以前は、マヤ族が王の死体をオールスパイスで香り付けして保存していたんだそうな。コロンブスはジャマイカに上陸しましたがこの植物を発見できず、オールスパイスが発見されたのは、16世紀の後半の探検家フランシスコ・フェルナンデスによってでした。このスパイスになぜオールスパイスという名前が付いたかというと、西洋では栽培できないために、当時高価だったシナモン、クローブ、ナツメグの3種類のスパイスをミックスしたような香りがあるためです。まさに、香りのオールスター夢の競演とでも言いますか。実はシナモン、クローブ、ナツメグはいずれもオイゲノールが香りの主成分ですが、オールスパイスもまた香りの主成分がオイゲノールなのです(その他、チモール、フェランドレン、シネオール、カリオフィレンなどの香り成分を含みます)。甘い味にも辛い味にもよくマッチし、香りの似ているシナモン、クローブ、ナツメグと一緒に使うとよりよい効果が得られます。オールスパイスには、抗菌性があることも知られているんですよ。 <シナモン> シナモン(Cinnamomum zeylanicum)は、クスノキ科の常緑樹の皮で、漢方薬の世界では桂皮と呼ばれ、その他に、肉桂(ニッケイ)、ニッキとも呼ばれています。聖書にもよく登場すること殻も、このスパイスが古くから使われていたことがわかります。シナモンの特有香りの主成分は、シンナミックアルデヒドという成分で、この他にクローブやナツメグに含まれるオイゲノールも含まれるので、クローブやナツメグに似た香りも感じられるとのことです。料理としては、甘みのあるものに最適で、アップルパイなどのお菓子によく使われます。また、飲み物に使うと、独特の甘い香りがつくため、シナモンティーやシナモンコーヒー、インドのミルクティーのマサラチャイにも使われます。薬理効果としては、健胃、発汗、解熱、風邪薬などに使われ、シナモンを蒸留した精油(桂皮油)には抗菌作用があります。ところで、シナモンの甘い香りは、古代より深い愛情を示すとされ、王侯、貴族の間で最高の贈り物とされていたとか。あの悪名高きローマ皇帝ネロは、最愛の妻の死を悼んでローマの1年分の消費量に当たるシナモンを、全部燃やして妻への愛と妻を失った悲しみを表したとか。やることが無茶だと思うか、そんな熱狂的な愛され方をしてみたいと思うかは、読者のみなさんの判断にお任せしましょう。 よく”あくを取る”とか”あく抜き”などといいますが、あくって何か考えてみたことはありますか?あくというのは、非常に奥深いのです。あくとはえぐみともいい、食品に含まれる渋みや苦み、いやな臭いなど不要な味の成分すべてを指します。あくといってもいろいろあります。植物性食品ではシュウ酸、ホモゲンチジン酸、ポリフェノール(クロロゲン酸やカテキンなど)など。動物性食品では脂肪や可溶性タンパク質の一部が該当します。ただ、すべてが解明されたわけではありません。 あくは料理をまずくするものとして嫌われていますが、本当にあくは悪者で、徹底的に除くべきなのでしょうか。実はあくによる渋みやえぐ味は、食品の風味を構成する重要なメンバーです。あくを徹底的に除くとまずくなることが多く、特にタケノコ、ほうれん草、ふきなどはあくが少し残っていた方がおいしく感じると言われています。 でも、あくがきつすぎれば、まずいのは言うまでもありません。そんなときあく抜きが必要になるわけです。あく抜きはあく(えぐ味や渋み、褐変する原因の成分)を素材に適した方法で抜くことですが、野菜のあく抜きはどうすればよいのでしょうか。3つほど方法を御紹介します。 @酢水を使う ウド(皮をむいたもの)、ごぼう、レンコン、やまのいも(ながいも、やまといも、つくねいもなど)などで有効です。水に酢を少し入れて浸けておきます。 A湯に糠を入れて茹でる たけのこに有効な方法です。 B湯に重曹か木灰を入れて茹でる ワラビ、ゼンマイ、よもぎなどに有効です。重曹や木灰はアルカリ性なので、野菜を軟らかくしてあくが抜けやすくします。さらに、シュウ酸やホモゲンチジン酸などのあく成分を中和します。ただし、重曹は入れすぎると味が落ちるので注意しましょう。 砂糖は私たちにとって最も身近な食品でありながら、最も誤解を受けている食品です。そこで今回は、砂糖に関する様々な噂を検証していきます。 1.果物に砂糖をかけるとビタミンCがとれない 砂糖にはビタミン類を分解したり化学変化を起こさせるような性質がありません。ですから、果物にかけてもビタミンには何の変化も起きません。 2.砂糖を食べると太る ちょっと体重が増えると、”甘いもの食べ過ぎなんじゃない?”などと若い女性を中心によくこの手の会話が交わされるようです。でも、砂糖など甘いものを食べたら確実に太るのでしょうか?実は、砂糖をはじめ甘い物と肥満には何の因果関係もありません。太るというのは、体が消費するカロリーに比べて、食べ物から取り込んでいるカロリーが多いため、余ったカロリー分が脂肪として貯えられるために起こる物です。ですから、カロリーオーバーであれば甘い物に限らず肥満が起きやすくなるのです。間食を減らしたり、栄養バランスを保ちながら食べ物の総カロリー数を落とすこと、運動を行って必要なカロリー量を上げることがが、脱肥満のポイントでしょう。その前に一点。自分が太っていると思いこんで過激なダイエットに走る方(特に若い方に多いです)がいますが、あまり感心できません。なぜなら無理なダイエットは体に過度の負担をかけるばかりか、場合によっては病気を誘発します。ダイエットをする前にダイエットする必要性がある状態かどうか検討した方がよいのではないでしょうか。栄養バランスの取れた食事や規則正しい食生活、適度な運動さえ心がけていれば、特にダイエットする必要はないと思うのですがどうでしょうか? 3.砂糖を取りすぎると、集中力が低下・・・ 砂糖を取りすぎると、集中力が低下したり、キレやすい、ひどくなると犯罪に走る・・・といった噂があります。この噂の元になったのは、1978年にアメリカのサンフランシスコで市長らが射殺された事件です。この事件の裁判で、弁護側が”砂糖は澱粉などに比べ速やかに体に吸収され、血糖値が大きく上昇する。それを下げるためにインシュリンが大量に分泌され、低血糖になる。被告は日常甘い物を取りすぎていたので、低血糖状態になり、精神状態が不安定だった。”という主張を述べました。弁護側のいう症状は、反応性低血糖という症状ですが、この症状自体がとても稀なんだそうです。ですから、この噂は根拠にかけます。それに糖尿病の耐糖能検査では、75gのブドウ糖(350mlの清涼飲料水2缶分に相当)を一気に飲んで血糖値の変化を観察します。通常だとこの程度なら3時間もすれば元の血糖値に下がるんだそうです。これから見てもわかるように体は体内の環境が激変しないように調節されているのです。 4.砂糖を取ると骨がもろくなるってほんと? 結論からいうと全く根拠のない話で、砂糖の側から見れば名誉毀損で訴えたくもなる話です。一般に”砂糖を多く食べると血液が酸性になるので、これを中和するのに骨に含まれるカルシウムが使われるので骨がもろくなる。落ち着きもなくなる。”という話が信じられているようです。冒頭に紹介した俗説には数カ所の誤りがあります。まず、砂糖を取ると血液が酸性になるというのは正しくありません。食品が酸性かアルカリ性かは含まれる無機質によって決まりますが、砂糖にはほとんど無機質がないのです。砂糖に限らずデンプンなどの糖質からエネルギーを得るにはビタミンB1が必要で、食事の中でビタミンB1を十分取るようにしなければいけません。ですから、砂糖だけを攻めるのはおかしいのではないでしょうか?虫歯の発生に関係するといっても、虫歯はただ葉の表面に砂糖が付いたぐらいでできるものではありません。虫歯の原因菌が粘りのある物質を作り、それが歯垢となって固まり、さらに歯垢にガードされた虫歯の原因菌が糖分から酸を作り歯を溶かして始めた虫歯が発生します。ですから、虫歯の発生を抑えるには、砂糖を取らないのではなく、食べたら即歯を磨くことと、だらだらと長時間ものを食べ続けないことの方が重要なのです。 5.砂糖は虫歯の原因 砂糖有害論を受けて、FDA(アメリカ連邦食品医薬品局)、FAO(小気宇連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)など様々な団体が砂糖について調査しました。上記の1〜4については全く事実無根、現在の摂取量では健康に有害だとはいえないという結論に至ったそうです。これらの調査のなかでただ一つ確認されたのが、”虫歯の発生に関わる”ということでした。何だ、やっぱり砂糖を取ると虫歯になるのか、と早合点しないでください。実は、砂糖を食べても虫歯になるわけではありません。虫歯になるには次の順番を経て最終的になる物なのです。まず、虫歯の原因菌(以下、虫歯菌と呼びます)が粘りのある物質を出して歯垢を作ります。歯垢にからみついた虫歯菌が酸を出して歯の表面のエナメル質を溶かします(脱灰)、さらに象牙質を溶かして虫歯になります。さて、砂糖を取ったからといってすぐに虫歯になるのではなく、歯垢ができてしまうことに問題があります。食事をだらだら食べないように注意したり(早食いしろということではありません)、食後にすぐ歯を磨いて歯垢がつかないように心がけたりすれば防げる物です。虫歯の要因に和なっても原因とまではいえません。原因はむしろ我々の生活習慣の方が大きいようです。よだんですが、極初期の脱灰ならば、体が修復する能力を備えていることも最近の研究でわかってきているとか。 ポパイが食べるのはほうれん草だろ!と、まあ怒らずに話を聞いてください。かつてアメリカで菜食主義が実業家の間に広まったことがありました。彼らは菜食家協会を結成して、畜産関係者からひんしゅくを買いながらも、漫画家のE.C.セガーに菜食主義をPRする漫画を書かせます。これがポパイの始まりで、それを元にフライシャー兄弟が映画化したのです。ところが映画は不評の極み。それもそのはずで、ポパイがピンチになると相棒が大きなキャベツを投げて、食べた瞬間に筋肉ムキムキになると言う唐突な筋だったからです。そんなポパイに転機が訪れたのは、1933年。ポパイが食べるものがキャベツからほうれん草の小型缶詰になってからです。映画は大ヒットして、野菜の缶詰が売り切れると言ったほどだったそうな。ところがほうれん草の缶詰がないのにあわてた缶詰会社は、あわててほうれん草の缶詰を作りました。ところがそれにベーコンが使われていたから大騒ぎ!ポパイのパトロン?だった菜食家協会を激怒させてしまったんです。悩みに悩んでトマトとほうれん草の野菜ジュースにしたとか。今日の野菜ジュースの父はポパイだったのです。こうしてみると、ポパイは偉大ですね! 笹かまぼこと並ぶ仙台名物と言えば、牛タンですよね。牛タンと言えば麦とろは欠かせません。この麦飯にとろろ汁をかけた麦とろは、実に合理的な食品なんです。とろろ芋の粘りは、タンパク質にマンナンという食物繊維の一種が結合したものです。とろろ芋には、アミラーゼというデンプン分解酵素が多く含まれ、硬い麦飯の消化をよくするのに一役買っているのです。これはとろろ飯でも同じことが言えます。この組み合わせを考えた先人の知恵には脱帽です。さてとろろ料理は、麦とろやとろろ飯に限らず、山かけや月見いもでもほとんどすりおろす動作が入ります。これはすり鉢ですりつぶすことでとろろ芋の細胞を壊し、アミラーゼを十分引き出すための処理なんです。この操作によってなめらかな舌触りも同時に実現されます。この点ではミキサーもすり鉢にはかなわないそうな。それと注意点を一つ。アミラーゼは酵素なので熱に弱く、だし汁ですりおろしたいもをのばすときには、だし汁を熱いまま加えてはいけないのです。これからも、先人が残してくれた健康的で素晴らしい料理をおいしく食べようではありませんか! 桜田門外の変というのは歴史の授業で習ったと思います。幕末に徳川幕府の実質的な最高権力者だった大老・井伊直弼が、江戸城の桜田門外で水戸浪士に暗殺された事件です。この事件のきっかけにちょっとした話があります。江戸時代まで日本は大ぴらに肉を食べられなかったことは御存知でしょう。ところが、近江国(現在の滋賀県、彦根藩があった)には渡来人が多かったので、牛肉のみそ漬けを食べる風習があったとか。参勤交代の折りに珍しい土産品として重宝されていたとか。ちなみに、将軍のうち何人かはこれを食べていたのではないかという説があります。さて、水戸藩主だった徳川斉昭(15代将軍・徳川慶喜の父)は牛肉好きで、特に寒中見舞いとして毎年送られる牛肉のみそ漬を楽しみにしていたとか。ところが、彦根藩主が井伊直弼になると禅宗の教えにしたがって、牛馬のと殺を一時禁止しました。このことから両家の関係は最悪になり、やがて井伊直弼の暗殺につながっていったとか。真実かどうかは別にして、いつの世も食べ物の恨みは恐ろしいですね。ところが牛肉の恨みで歴史が変わった例はこれだけじゃありません。ポーランド争乱は牛肉の不足で、日露戦争の時のロシアが誇るバルチック艦隊の士気低下、ロシア革命の戦艦ポチョムキンの反乱は、ともに牛肉の腐敗騒ぎに端を発するとか。欧米人は牛肉は食卓に欠かせないからのことでしょう。旧日本海軍も、こうしたエピソードを知ってか知らずか、牛肉缶詰の技術革新に精力的に取り組み、呉軍港の近くで缶詰産業が盛んになったとか。 |