第20話 北海道は地ビールパラダイス
     ’97年末で国内の地ビールメーカーは182件となり、’98年中に200件を越える勢いです。’97年末で道内は全国でもっとも多い16件(発泡酒を入れると17件)を数え、今年は既に札幌、上川、千歳などにも地ビールが誕生し、道内では20件を越えています。オホーツク地域でも、遠軽、網走、女満別で地ビール製造に向けて活動が始まっています(このうち、女満別は’98年中に開業予定)。昨年は北海道地ビール協議会による北海道地ビール祭りが北見市で開催され大盛況でしたが、今年は7月21日から8月10日まで札幌市の大通公園西11丁目広場で、”地ビール広場”が開設され大盛況でした。みなさんも札幌に居ながらにして、北海道各地の地ビールを堪能しませんか?これだけ地ビールが盛んな北海道ですが、ここオホーツク圏には北見市に、全国の地ビール会社で最初に製造免許がおりたオホーツクビールがあります(1994年12月、ホームページはここをクリック)。このオホーツクビールの特徴に地元産の大麦を使用している点が特徴で、’97年末までは地元産の大麦を使用しているのは、オホーツクビールと三重県のもくもく地ビールの2ヶ所だけだったと記憶しています(現在もそうかもしれませんが)。こうした素材の個性化も地ビールにとって重要になっていくのではないでしょうか。そしてもう一つ、ビールによく合う食品の提供でしょう。もくもく地ビールではソーセージがビールとともに提供されています(同社は地ビールより前にソーセージの製造を行っていたのですが)。この様な地ビールを核とした食クラスター(といったらオーバーでしょうか)が形成されればさらに発展していくでしょう。98年の地ビール祭りは、10月11日(日)〜17日(土)まで開かれ大盛況のうちに閉幕しました。今回の地ビール祭りは、北海道食肉加工研究会(研究会のページはここをクリック)のメンバーが、手作りのソーセージを販売するなど食クラスター形成の芽は着実に育ってきているといえるでしょう。
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    第19話 名水の基準はあるの?
     今は名水ブームであるとよく言われます。おいしい水ってどんな水か考えてみたことがありますか?こうでなければいけないと言う法律はありませんが、厚生省の”おいしい水研究会”が提案した下に書いた7つの条件が参考になります。
    @蒸発残留物 30〜200mg/l
    水を蒸発させて残った物の量です。
    A硬度 10〜100mg/l
     水のミネラルの主体となるカルシウムとマグネシウムの量で、水が硬い、軟らかいと言うときの基準になります。フランスのミネラルウォーター”エビアン”は硬度が高いのが特徴です。
    B遊離炭酸 3〜30mg/l
     湯冷ましがまずいと感じた方は多いのではないでしょうか。水には炭酸ガスが溶け込んでいますが、この炭酸ガスの量が味に大きく影響します。ミネラルウォーターに”ペリエ”というのがありますが、ペリエの炭酸は自然に水に溶け込んだものです。
    CCOD(化学的酸素要求量、過マンガン酸カリウム消費量) 3mg/l以下
     有機物の量を示します。
    D臭気度 3以下
     臭いがあるかどうかを示す物です。
    E残留塩素 0.4mg/l以下
     カルキの含まれる量と考えて良いです。
    F水温 最高20℃以下
     水の味は温度による影響もあります。
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    第18話 食べ物と免疫力
     今の日本人は体が弱い!それも日本人特有の生活スタイルの影響が大だ!などと書くと、ぎょっとされると思います。それでいいんです。ぎょっとしてほしいんです。麻疹やおたふく風邪に一度かかると二度とかからないか、かかってもきわめて軽い症状で終わります。これは麻疹やおたふく風邪に対する免疫力ができたからなのです。以前、インドネシアのバリ島で集団コレラ騒ぎがありました。しかも患者は日本人だけで、同じ物を食べている外国人は健康そのものでした。これからもわかるように、日本人の免疫力は低下しているのです。一説には、日本人の免疫力が終戦直後の半分程度になっているとの話もあります。これにはいろいろな要因がありますが、日本人を巡る環境がきれいになりすぎたからではないかと言われています。食と免疫の関係を考えてみましょう。我々が免疫力を獲得する場の一つに、胃腸などの消化器系があります。食べ物は腸を通る場合に、同時に食べ物に含まれる微生物が腸と接します。この際に腸を通じて、微生物に対する免疫力が形成されていくと言われています。食品も衛生管理が厳しくなる中、衛生的になってきたのは喜ばしいことです。ただ、微生物管理に過敏になりすぎて、微生物数だけが一人歩きしてしまうのはいかがなものでしょうか?免疫の話もさることながら、廃棄される食材が多いことも考えると、微生物管理の基準を見直してみてもいいのではないでしょうか。
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    第17話 ガラナ誕生
     ガラナってご存じですか?北海道でしか売られていない炭酸飲料です。ガラナ(Paullinia cupana H.B.K)とは元々ブラジル原産のムクロジ科の植物で、別名をブラジルココアともいいます(ガラナ果実の写真はここをクリック)。ガラナは、現地のマウェイ属インディオの人々に不老長寿の秘薬として、飲用または薬用に使われてきました(乾燥ガラナ果実の写真はここをクリック)。時は戦後にさかのぼります。戦前は高価でごく一部の人しか味わえなかったコーラが、本格的に日本に上陸することになりました。それまで国内市場を握っていた中小の飲料メーカーが強い不安を抱きました。それまで、コ−ラのように色がついた炭酸飲料はほとんど売られておらず、サイダーのような製品が一般的だったからです。何とかしてコーラのような飲料を作れないか。そう考えていたときに、”ガラナというものがブラジルにあり、現地人に不老長寿の秘薬として愛されている。”との情報が舞い込んだのでした。そこでメーカー側は”コアップガラナ”の統一商標で、100社以上がガラナ飲料を販売したのです。ガラナはイメージはとてもいいものの、ガラナエキスを添加した飲料は無味無臭透明なので、コーラのようにはならないという大きなハードルがありました。ガラナエキス自体は私もみたことがありますが、濃いチョコレート色の液体で生薬のような香りがあります。でも、エキスですから飲料に入れる量は少量です。ですから、飲料が無色透明無味無臭になってしまうのです。そこで、メーカーはカラメルでコーラのような色を付け、甘味料や果汁(リンゴ果汁)を加えて飲料にすることにしました。しかし、最後の難関は香りがないガラナに、香りをつけることでした。そこでメーカー側は、日本人に親しまれている果物数種の香りをメインに、試行錯誤のうえ調合して生み出されたのが、ガラナフレーバーです。こうして苦労の果てにガラナは誕生しました。1958年のことです。ところが、コーラの上陸速度はとても速かったのです。知名度のあるコーラと新人のガラナでは勝負になりませんでした。ガラナは連戦連敗のあげくに、たった1カ所だけ勝利を手にすることができました。それが北海道なのです。北海道はコーラが上陸するまでのタイムラグが長く、コーラが上陸するまでにガラナが市場を制覇することができたのです。色が付いたこれまでにない飲料は北海道の人々に衝撃を持って受け入れられ、愛されたのは言うまでもありません。そしてもう一つ、人々にガラナが愛されたわけがあります。それはガラナが国産としては、最も早い時期の果汁入り炭酸飲料だったことです。糖分と違い、果汁には特有の味わいがあります。しかもそれが数十%も入っていたのですから、おいしくないはずがありません。果汁入り炭酸飲料には、それまでにない美味しさがあったわけです(今は無果汁がほとんどです)。以前、97年の春にある展示会でガラナを全国展開しようとしている会社の方と立ち話をしていると、”日本でガラナは受け入れられるでしょうか?”と訊かれました。私はこの問いに、”北海道以外では相当厳しいんじゃないでしょうか。”と答えた記憶があります。無論、これまでご紹介した経緯が頭にあったからですが、そのガラナがなんと、北海道だけで限定販売の状態だったものが、97年に全国で販売されました。そのわけは回を改めてご紹介しましょう。
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    第16話 シトロン、サイダー、ラムネの違い
      シトロン、サイダー、ラムネの違いって御存知ですか?一見同じように見えるんですが、厳密に言えば違うんです。シトロンはシトロンというヒマラヤ東部を原産地とする柑橘類の一種(Citrus medica LINN、丸仏手柑)が語源となっています。ところがシトロンが開発された当時は、日本でシトロンが入手できなかったため、シトロンの香料を輸入して加えました。ですから、シトロンはシトロンの香料が入った炭酸飲料をいいます。さて、シトロンという飲料の名前が存在するのはなぜか北海道と新潟県だけなんです。不思議ですね。サイダーはシードル(リンゴを原料にした発泡酒)が日本に入ったときにサイダーと呼んだのが語源だといわれています。サイダーは無果汁で弱いオレンジやレモンなどの香料を主体にしてシャンパンフレーバーがかましてある炭酸飲料です。ラムネも無果汁でもともとは玉入りのビンに入ったものをいいますが、サイダーよりもシャンパンフレーバーを強く噛ましてある炭酸飲料です。ラムネの語源はレモネードなんですよ。意外ですね。
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    第15話 お酒のいい香りのもとは?
     吟醸酒などを口元に持ってくると、フルーティーな香りが漂うという経験は多くの人がもたれていることと思います。吟醸香と呼ばれるこの香りのもとは何でしょうか?実は酵母が作るエステルという物質です(酵母の写真はここをクリック)。最近は酵母が作る臭いの成分も解析され、育種も進んでいます。バナナの香り(カプロン酸エチル)、バラの香り(β−フェネチルアルコール)などの香り成分を大量に作る酵母が実用化されています。お酒は酵母の汗だなどといいますが、フルーツの香りの汗というのは優雅じゃありませんか?お酒のかぐわしい香りをかぎながら、香りを生み出している酵母に思いをいたす・・・こんな飲み方もたまにはいいのでは?
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    第14話 イカ・ホタテの驚異のパワー
     イカとホタテ。北海道を代表するこの海の幸に驚異のパワーがあるのをご存じですか?イカとホタテには、コレステロールを下げるなど体によい作用があるとされるタウリンが含まれています。まず、イカから。私の出身地は北海道函館市ですが、函館はイカの産地としても有名です。イカの利用でおもしろい企業があります。そこではイカから液晶(コレステリック液晶)をとっているのです。液晶といえばノートパソコンやハンディータイプのゲーム機でおなじみです。このコレステリック液晶は温度により、青、緑、黒、茶などと色が変化します。私もイカの形をしたコレステリック液晶を使ったタイピンの愛用者ですが、色が実にきれいでいいです(人が集まっていながら、話のネタがないときには助かります)。それに勝るとも劣らない優れものがイカ墨です。なーんだイカ墨か、と思うなかれ。抗ガン作用があると聞いたら驚くでしょうね。青森市と函館市はツインシティー提携をしている間柄ですが、青森市にある県立産業技術センターでイカ墨に抗ガン作用があることを発見したのです。さらにイカのゴロ(内臓)には、EPA(エイコサペンタエン酸)やアスタキサンチン(抗酸化作用がある)などが多く含まれることが、北海道立食品加工研究センターの調査で確認されています。続いてホタテ。オホーツク海沿岸はホタテの一大産地として有名です。このホタテに実はすごい作用、抗ガン作用があることがわかったんです。青森県はオホーツク圏同様ホタテの産地ですが、前出の県立産業技術センターがホタテ貝柱に抗ガン作用を認めました。その有効成分はなんとグリコーゲン!グリコーゲンって聞いたことありませんか?動物がエネルギーを貯蔵しておくために作るものです。こんなものにすごい作用があるなんて、最初私も半信半疑でした。そこで産業技術センターの方に直接話を伺ってみたところ、グリコーゲンといっても人間などの動物とホタテなどでは、構造が違うんだそうな。ホタテの枝分かれした形のグリコーゲンを、動物のグリコーゲンのように枝があまりない形にすると、抗ガン作用がなくなるそうです。生き物って不思議ですね。
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    第13話 七色の中国茶
     紅茶、緑茶は御存知でしょうが、中国ではこの他に青茶(チンチャ)、黒茶(ヘイチャ)、黄茶(ホアンチャ)、白茶(パイチャ)などがあると言うからびっくり。さすが中国4000年。中国の紅茶(ホンチャ)は言わずと知れた完全発酵茶です。世界3大紅茶の一つにキーモン紅茶があるんだそうな(後2つって何だったっけ?)。松の木を使って作る小種紅茶(スーチョンホンチャ)の他、ライチの香りのレイシ紅茶があるというのがすごい。緑茶(リュイチャ、緑一色じゃないですよ。お父さん方)は、日本と違い釜煎りします(日本は蒸す)。意外にも中国で一番生産量が多いのはこのタイプです。龍井(ロンジンチャ)などが有名で、日本のように熱湯で入れずに70〜80℃で入れ、苦味や色が少ないのが特徴だそうな。青茶(チンチャ)は半発酵茶のことでウーロン茶、鉄観音茶など日本でもポピュラーなお茶です。黒茶(ヘイチャ)は工程の途中で麹菌が生えて黒っぽくなるお茶で、最近有名になったプーアール茶が該当します。カビの臭いが気になるときは花茶(ホアチャ、花の香りのするジャスミン茶など)とブレンドしてみると良いそうです。ちょっと値の張る茉莉花茶(いまは懐かしいオニャンコクラブのファンだった人は、この漢字が何かわかりますよね)は、とても香り高く感動的ですらあります。ちなみに、茉莉花茶(モーリーホアチャ)は、ジャスミンティーのこと。黄茶(ホアンチャ)は黄色い茶葉で黄色い色のお茶だそうな。茶葉が浮き沈みしたり普通のお茶に飽きた人は試してみては?(私にとっても未体験ゾーン)。白茶(パイチャ)は新芽に白毛の多いタイプの品種で作るんだとか。とてもシンプルで低刺激だそうで通好みなんだそうな。さすがに、これは飲んだことがありません。
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    第12話 ネルドリップってなーに?
     粗挽きネルドリップ・・・こんなコーヒのCMを見たことありませんか。粗挽きは焙煎したコーヒー豆を粗く挽いたものであることは、想像できるでしょう。では、ネルドリップって何でしょうか。コーヒーの入れ方にはいくつか方法があります。ネルドリップはそのひとつです。ネルドリップはコーヒーが粉混じりだった時代に、コーヒーを漉すために生まれた方法です。ネルの布袋がついたフィルターにコーヒーを入れ、熱湯を注ぐ方法です。入れ方自体はとても単純で(奥深いものもあるけれども)、酸味や苦みなどがとてもよくでる方法として定評があります。反面、ネルのフィルターは手入れがとても大変で、乾燥させたり、洗剤で洗ったりすると臭いがついて大変だそうな。うまいものを口にするには努力を惜しむなと言うことでしょうか。ちなみに、コーヒーの入れ方には、ペーパードリップ、サイフォン、ウォータードリップ(水出し)、エスプレッソ、パーコレーター(アメリカの開拓時代のスタイル)、イブリック(砂糖と挽いたコーヒー豆を煎れて煮出すトルコ風のスタイル)などがあります。
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    第11話 ラーメンに潜む謎
     今や国民食と言っていいほど大衆化したラーメン。そのラーメンにもいろいろとおもしろい謎があります。今回はそんなラーメンにまつわる謎について考えてみましょう。
    1.カップラーメンにビタミンB?
     みなさん、国産のカップラーメンにはビタミンB1が入っているのをご存じですか?1970年代初頭に若者が脚気に似た症状で病院に運ばれる事件がたびたび起きました。脚気はビタミンB1の不足によっておきますが、栄養状態の良くなった日本で脚気など考えられなかったので、医師は首をひねりました。そのうちに患者に共通している点がわかりました。患者は全員カップラーメンを常食にしていたのです。栄養状態の悪い時代に起きた脚気が、偏食により現代に復活したというところでしょうか。それ以来、カップラーメンにはビタミンB1を加えるようになったのです。
    2.なぜラーメンは黄色いの?
     なぜラーメンは黄色いのでしょう。麺を作るときにカンスイを入れるからでしょう、という答えが返ってきそうです。これは正解なんですが、なぜカンスイを入れると黄色くなるのでしょう。カンスイはアルカリ性が強く、麺を加熱すると小麦粉の中のフラボノイド系色素のトリシンがクリーム色に発色するのです。実際にそんなことが起こるのか実験してみたい方は、小麦粉に重曹を溶かした水を加えて練っていると、生地が黄色っぽくなるのが確認できるはずです(ベーキングパウダーではなく重曹を使うのがポイント。ベーキングパウダーには、重曹による生地の変色や苦みの発生を防ぐために、中和剤が入っていますので、お間違えなく)。ちなみにフラボノイド色素は、酸性で白っぽくなります。
    3.なぜラーメンは縮れてるの?
     麺類の中でラーメンだけが縮れているのはなぜでしょう。ラーメンを製麺するときに縮れをいれるのですが、これはスープがより麺に絡みやすくするためです(製麺機の写真はここをクリック)。味が濃厚な豚骨ラーメンに使う麺は縮れていません。これは麺にスープがたくさん絡むため口の中がくどくなり、飽きてしまうのを防ぐためです。
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