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・HOBIA平成11年度 総会・合同幹事会・講演会・祝賀会終わる ・研究会・研究交流会の成果について(ここをクリック) ・創立14周年記念講演会要旨(要旨はここをクリック) ・私が注目する今月のバイオ情報 ・HOBIA例会のご案内(終了につき削除) ・新会員紹介 ・HOBIA役員・企画運営委員名簿(最新の名簿はここをクリック) HOBIA平成11年度総会・合同幹事会・講演会・祝賀会終わる 平成11年度の総会が、去る4月21日(水)フジヤサンタスホテルにおいて約60名の参加者を集めて開催されました。以下にその概要を報告します。 なお、当日欠席された会員の皆様には、総会資料を本ニュースとともにお届けいたします。 総会は福岡事務局長の司会で進められました。 高尾会長からの開会挨拶に引き続き、西陰幹事から平成10年度の活動報告がなされました。 1.平成10年度活動報告 (1)研究開発事業 平成8年から活動を続けている2つの研究会では、健康をテーマとする「機能性食品」の課題、および「産業廃棄物利用」の可能性について情報交換すると共に議論した。 「機能性食品」の研究会では、この分野で活躍されている研究者や企業の方を道内だけでなく本州からも多数お招きして情報交換を行った。これらの成果は、地域結集型研究事業(新技術事業団)および地域コンソーシアム(通産省)の研究開発事業の開始において大きな力となった。 (2)例会・セミナー 例会及びセミナーを通してバイオ情報の普及につとめた。平成10年度に開催した講演会・講習会は全部で8回におよんだ。この中には、共催の講演会も増やしており、会員以外にも多くの参加者に情報を提供することを目的に実施した。 開会挨拶される高尾会長 (3) バイオインダストリー振興事業(北海道の助成、JBA日本バイオインダストリー協会の支援事業) ・ 次世代を担うであろう若者たちにバイオ知識を提供することを目的に実験をともなった講習会を開催した。札幌地域では、高校生を対象に2週間の研修を行った。十勝地域では、高校・中学教諭および企業研究員を対象に3日間の遺伝子組換え技術に関する実習を行った。 ・ 道内のバイオ団体が一同に会する「バイオインダストリー振興団体全道会議」を実施した。 ・ バイオの現場を訪問する「バイオ関連施設見学会」も実施した。 (4) 研究交流事業 石狩地域(札幌)においては、「中高年の食と健康モニター」を行いモニターデータをコンピューターで解析している。(石狩支庁の補助) オホーツク地域(北見)の交流会では、地元のパワーメンバーと大学の研究者を結ぶコーディネーション事業を行い、産業振興への問題の掘り起こしを進めた。 (5) バイオステージの開催 函館で「海のバイオ」をテーマにバイオステージを開催した。 地元および本州から招待した講師の皆様から海にまつわるバイオの商品開発の経緯について講演してもらい、あわせて商品展示も行った。 一方、北海道バイオステージの運営形態が変わった。一昨年までのHOBIAの役割は、HOKTAC事業への協力であったが、平成10年度はHOBIAが主体となり開催した。このため予算額も増加した。 (6)地域バイオ実態調査 JBAが進めている研究機関(大学、試験機関、企業)の情報をデータベース化する事業の内、北海道部分を受け持った。平成11年度も継続する予定。 (7)HOBIAニュース 毎月の定期発行を継続した。 インターネットとDTPを活用した迅速な編集と校正を取り入れた。 新規な企画としては、「HOBIA・Q&A」のコーナーを掲載始めた。 (8)会計・決算報告 斉藤幹事から説明があった。 会員収入について、個人会員は増加したものの、大口の団体会員が減少したため会員収入は減少した。 北海道の経済事情を反映してか、北海道銀行、スズケンなどが退会した。 一方、バイオステージの運営の移管にともない事業収入は増加した。 また、HOBIAニュースの編集方法をDTPの活用などの工夫により広報費が減少し予算の節約が可能となった。 (9)会計監査 服部統幾氏(日本開発銀行)によって確認された。 2.平成11年度の活動方針案 今年度の活動方針について本多幹事より説明があった。 北海道の経済復興は急務である。本道経済の自立を目指して勧められている多くの取り組みが農業や食品を含むバイオ関連である。HOBIAは他団体との協力体制を強めて、より効率的な産業振興をめざす活動を行う。とくに産業クラスターの取り組みの8割はバイオ関連である。こういった活動にも積極的に協力するなど本道産業の発展に向けた活動を展開する。 (1) 研究開発事業 (バイオステージ) 平成11年度の「バイオステージ」は地元の食品産業協議会からの強い要請もあり、釧路で開催予定である。 釧路では初めてのバイオステージとなる予定。 (研究交流会) 「研究交流会」は、釧路地域および昨年に継続してオホーツク地域で開催する予定。 (実習講座) 好評の「遺伝子組換えの実習講座」も継続する。開催場所は、札幌と旭川の予定。「身近な暮らしの中のバイオ」(札幌)も継続する。 (バイオインダストリー全道会議) 「バイオインダストリー全道会議」も継続して行い、各地域の情報交換の場としたい。 (その他) その他HOBIA事業全般について会員の方々が一層参加しやすい活動を企画する。 「HOBIAニュース」は、月初めの発行を続ける。 なお、HOBIAの活動への要望は、随時受け付けております。 (2) 平成11年度予算案について 予算案について木下企画運営委員より提案があった。 会費収入は減ったが、事業収入が増えた。 新年度予算では、HOBIAパンフレットなどの充実を目的に広報費を増加した。さらに、パソコン、インターネットなどOA関連予算も増加させた。 (3)質疑応答 質問:「身近な暮らしの中のバイオ」は、高校生だけしか参加できないのか?成人の一般人も参加できるのか? 回答:本講座の第一の目的は、将来バイオをになう若い人たちに、より実際的な興味を持ってもらうための講座である。また、2週間と期間が長いので仕事を持った人は参加できにくいのではと考えて対象を高校生とした。しかし、参加者を制限しているわけではない。今後、成人参加者への配慮も行いたい。 3.合同幹事会での議論について 総会に先立って、役員及び企画運営委員による合同幹事会を開催した。 そこでの議論の要旨を報告する。 (1)役員改選 役員の改選:役員の任期は2年で、今年は改選の年にあたります。次期役員について審議され、その結果、次のとおり現役員が再選されました。 会長:高尾彰一(北大名誉教授)、副会長:冨田房男(北大副学長)、小砂憲一(アミノアップ(株)社長) 総会に先立ち開催された合同幹事会 一方、幹事役員について、転勤などで移動となったため、次の方が役員を引き継がれました。 本多芳彦(雪印乳業札幌研究所長)、稲葉紀男(旭化成白老取締役工場長)、吉岡宇佐雄(道立中央農試生物工学部)。 会計幹事については、湊孝康(北洋銀行)および、大野裕深(ジャフコ北海道支社)のお二人にお願いすることと致しました。 全役員および企画運営員の名簿は、巻末に掲載しました。 (2)他団体との交流について HOBIAの活動を一層有用なものにするため他団体との交流などについて次のような建設的な意見が出されました。 「HOBIAでは従来より他団体との交流を行ってきたが、より積極的にかつ具体的に行動する必要がある。 例えば、他団体との相互交流が一層重要だ。 すでに、HOKTACの産業クラスターメンバーにHOBIA企画委員になってもらっているし、札幌商工会議所のバイオ&食品研究会とも密接な連携をとっているところであるが、北海道には種々の産業振興のための団体委員会が存在し、HOBIA委員も兼務している場合も多い。 とくに産業クラスターの目指す産業発展の項目を見ると、多くがバイオがらみである。 4月27日に産業クラスターの地域ネットワーク会議に副会長が出席して連携を深めるための情報提供を行う予定であるが、その他にも、国や地元の企業やクラスターの動きと、より一層の連携の必要がある。」 (3)HOBIAの活動成果の広報について HOBIAの活動の成果をもっと広報すべきである。 セミナーや研究交流会の成果がどの様に発展したかを見えるようにすべきである。例えば、研究交流会での成果をもとに産官学の連携プロジェクトの獲得や開始もその好例である。昨年開始された、地域コンソーシアムも地域結集型研究事業もHOBIAの関与が多い。積極的な宣伝が必要だ。これらの成果をHOBIAニュースの記事としてまとめるほか、種々の機会をとらえて一層広く広報する必要がある。 HOBIAは、バイオの中身の理解できる委員で構成されており、今後の北海道の産業振興において重要な位置付けにあるはずだ。 なお、これまでのHOBIAの研究会・研究交流会から派生した主要な事業はここをクリック。 (4)HOBIAニュースおよびホームページ HOBIAニュースの編集についてはインターネットのE-mailを活用して、時間短縮が図れた。HOBIAのホームページの作成も考える必要がある。 私が注目する今月のバイオ情報 「ヤーコンについて」 ホクレン技術開発課 竹田 博幸 ホクレン食品加工研究課 井上 敦 ヤーコン(学名、Polymnia sonchifolia)とは南米アンデス高地原産の菊科の植物で、この根はダリアの根を大きくした形をしています。 古代アンデスでは、この根を掘り起こし、しばらく置くと甘みを有するようになるため、甘味作物として栽培されていたらしいのです。その後ヨーロッパに渡り20世紀初頭にはイタリア等で栽培されましたが、現在はほとんど省みられていない作物であります。ところが、最近になり、茨城大学で栽培試験及び本植物の生産物に関する研究が行われた所、ヤーコンは以下に述べる特徴ある成分を有することが判明しました。 まず、その根にはフラクトオリゴ糖(蔗糖にフラクトースが鎖状に数個結合したオリゴ糖)が根重当たり10%以上の割合で含まれることが判りました。つまり、ヤーコンの根を掘り起こし、しばらくすると甘みを有すると言う現象はこのオリゴ糖が分解しフラクトースになるためと理解できました。フラクトオリゴ糖はご承知のようにビフィズス菌を増殖させる効能があるために、近年のオリゴ糖ブームに火を付けたオリゴ糖です。このオリゴ糖は蔗糖を原料に微生物酵素により作るか、イヌリンの様なフラクトースの重合体を適当な酵素で切るかして作るしか方法がないと思われていた所に、ヤーコン根から水で抽出するだけで得られることが解ったのです。 次にその葉の有効物質ですが、この植物がほとんど殺虫剤なしで生育する所からその葉に殺虫物質が含まれているのではないかと、各成分を単離精製し研究したところ、新規物質INSECTICIDE-Dが見いだされました。この物質は化学構造上はグリセロ糖脂質であります。さらに、この葉には数種類の既知の抗菌物質とともに新規の抗菌物質も見いだされ、その学名にちなみsonchifolinと命名されました。この物質の化学構造はジャーマクレン型セスキテルペンラクトンでありました。 すなわち、この植物は根も葉も有効に利用できそうな栽培植物であるとの期待が高まったのです。ヤーコンを北海道で栽培した場合、ヒマワリに似た地上部は、1.5m程度まで成長し、根は100〜500g程度の塊根となり、1haあたり30〜50t程度の収穫ができます。しかし、栽培上の問題点として以下の3点が上げられます。(1)種芋で播種される、(2)種芋の越冬は凍結が許されない、(3)霜が降りると生育が止まると言う3点です。(1)については播種作業に特殊な播種機が要求されます。また、(2)、(3)については北海道で栽培する場合不利に働きます。従って、上記用途を目標に大規模に栽培されるには至っておりません。しかし、このような逆境にもめげず北檜山町、置戸町の一部で、ヤーコンは糖尿病を予防するとの情報もあり、食用として栽培され宅配形式で一部の消費者に販売されています。 このヤーコンを皮をむき千切りにし、軽く水洗いして適当なドレッシングをかけサラダ風に食べるとほのかな甘みがあいまって、けっこういける味になりますので機会がありましたらためして下さい。古代のアンデスの味が楽しめます。 新入会員 このほど新たにHOBIAに入会された方々をご紹介します。いずれの方々も、バイオ産業に希望を持ち、新らたな情報を求め意欲を持って会員になられた方達です。 これからも末永くお付き合い下さいますようお願いします。 1.(株)サイエンスタナカ技術研究所 (1) 代表者名 所長 伊 藤 敬 三 (2) 住所 石狩市新港西1丁目 777−13 TEL 0133-73-9181 FAX 0133-73-6626 (3) 主な業務内容 ・ 生物学的手法による環境汚染物質測定系の構築(キット化) ・ 一般的遺伝子関係の受託(遺伝子のクローニング、融合タンパク調整、ポリクローナル及びモノクローナル抗体作製等) (4) バイオとの関わり 大学において、肝癌細胞のガン化のメカニズム解明と遺伝子発現の関与、特に転写抑制因子の同定と単離を行った。 (5) 入会の動機 北海道にバイオ産業のコアとなる企業集合体をつくる組織化のため 2.北海道農業試験場 畑作研究センター 流通システム研究チーム (1) 代表者 山内 宏昭 (2) 住所 河西郡芽室町新生 TEL 0155-62-9283 FAX 0155-62-2926 (3) 主な業務内容 本センターは、畑作物(ビート、そば、小麦、バレイショ)の育種、栽培、生理、貯蔵、流通、加工等に関する研究を一貫して行っている北農試のブランチの研究機関である。私は主に、小麦、そばの食品加工、貯蔵の研究を行っている。現在、特に力を入れているのは、超強力小麦粉の特性解明と新食品用途の開発である。 (4) バイオとの関わり 過去に乳酸菌、パン酵母等の培養制御、育種研究を行っていた。現在は、小麦、そばの食品加工に関する研究をしているが、発酵技術には全般に興味を持っている。 (5) 入会の動機 HOBIAは産官学の多彩な方たちが、バイオ研究を中心に幅広い活動を行っており、自分の研究の推進上非常に役に立つ情報入手や、種々の専門家の方との交流が可能になると考えた。 3.(有)データワークス (1)代表社名 竹 岡 敦 広 (2)住 所 札幌市中央区北9条西20丁目 2−17 TEL 011-615-2002 FAX 011-615-3451 (3)主要業務内容 平成3年9月に印刷業界に参入し、皆様のお力添えで今年で8年目を迎えます。 近年、科学技術の進歩は目ざましく、数多くの報告書・パンフレットなどの印刷物が出回っております。しかし研究者・企業の意図が伝わらない印刷物が多いのも現実です。 当社は、科学技術分野で、お客様個々のニーズを適格に掴み、多くの人に喜ばれております。21世紀に向かい、皆様と共に歩む集団がデータワークスです。 (4)バイオとの関わり 現状でバイオと印刷は一見何も関わりがないように思えます。 ただ、活字という媒体を通して、あらゆる研究分野・企業PRをより多くの皆様に伝達する点から考えますと、無縁ではありません。 (5) 入会の動機 「より多くの皆様とお知り合いになりたい」そんな中、北海道バイオ産業振興協会の名前を知りました。異業種ですが、将来に向け何か新しい発見をし、また、皆さんのお仕事に何か役立ちたい。これが入会の動機です。 4.バイオモノ:株式会社 (1) 代表者 アクアシステム事業部 八反田 英嗣 (2) 住所 札幌市西区二十四軒3条2丁目6番21号 TEL 011-621-8100 FAX 011-613-6256 (3) 主な業務内容 電解水生成器やオゾン発生器といったものを食品加工場などへ販売することを主とし、 排水処理HACCP関連の企画提案など、環境及び衛生管理についての仕事をしている。 (4) バイオとの関わり 水を取り扱うことや、衛生管理といった仕事の中で、特に微生物に対する関わりが年々深くなっている。また、生ゴミの処理の問題でも、当社とバイオの関わりは深くなっています。 (5) 入会の動機 道立食品加工研究所 浅野部長からHOBIAの様々な行事の案内を頂き、参加している内に、有意義な活動に自分も正式会員として参加したくなった。当社の社名との因縁でしょうか? ・平成11年度総会ならびに設立14周年記念講演会のご案内(終了につき削除) ・私が注目する今月のバイオ情報 ・「食と健康を考える」セミナー報告(要旨はここをクリック) ・第2回地域研究交流会が開催されました(要旨はここをクリック) ・バイオ技術事業化支援フォーラムについて ・HOBIA講演会の予告(終了につき削除) ・事務局より 私が注目する今月のバイオ情報 20世紀は、科学が飛躍的に進歩し、様々な夢がかなえられたとともにエネルギーと資源を大量に消費して環境を破壊した時代でもあります。人類は、便利さや快適さの恩恵を被ると同時に廃棄物という環境汚染物質の中で生活することを余儀なくされています。中でも、分解されにくい化学物質は大量のゴミとして廃棄された結果、地球上に大量に蓄積され、各地で様々な環境問題を起こしています。これらの廃棄物は、物理的、化学的、生物的処理により自然界に再循環しなければなりません。 生物的処理、特に活性汚泥法やメタン発酵法などの微生物による処理は、有機性廃棄物を大量に処理できる方法として有効です。しかし、種々の目的により開発された化学物質は、それまで自然界に無かった新しい構造を持つ物質が多いため微生物によって分解されにくいという特徴を持っています。 そこで、これらの物質を分解させる微生物の探索がはじめられ、土壌細菌や黴による化学物質の分解が研究されてきています。また、木材を腐朽させる微生物の中に化学物質を分解できる菌がいることがわかり、これらの菌を使ったバイオレメディエーション (生物的環境修復) が注目されているのでその研究の一部を紹介致します。 〔白色腐朽菌〕 木材を腐朽させてボロボロにする菌は、一般に木材腐朽菌と呼ばれ、腐朽が進むと外観を白く変化させる白色腐朽菌と褐色に変化させる褐色腐朽菌に分けられます。木材の主要構成成分であるリグニンは、白色腐朽菌 Phanerochaete chrysosporium, P. sordia, Tramaetes versicolor,Pseudomonas, Brevibacterium, Aspergillus, Flavobacterium などの菌により分解することができます。また、リグニンを分解できる白色腐朽菌は、ベンゼンやトルエンなどの芳香族炭化水素、DDTなどの農薬、クロロフェノール、ポリ塩化ビフェニル、ダイオキシン、ニトロ化合物、クロロアニリン、アゾ系染料およびトリフェニルメタン系染料などの環境汚染物質も分解できることがわかってきたため環境保護の観点から注目を浴びはじめています。 〔リグニン分解機構〕 リグニンは、セルロースやヘミセルロースとともに樹木の主要成分として存在しており15〜30% 程度含まれています。その機能は木材繊維同士を接着させて強度を保つことの他防腐剤としての役割も果たしているため、微生物によって分解されにくい物質です。 白色腐朽菌のリグニン分解活性は、培地中の窒素や炭素源が消費された後に現れる二次代謝活性です。この菌は、分解されにくいとされている高分子のプロトリグニンを炭酸ガスと水に分解し無機化することができます。その分解機構は、菌体外酵素がプロトリグニンをある程度分解して低分子のリグニンとし、低分子化したリグニンを菌体内に取り込み菌体内酵素でさらに細かく分解すると考えられています。菌体外酵素としてマンガンペルオキシダーゼ(MnP)、リグニンペルオキシダーゼ(LiP)およびラッカーゼなどが関与していると考えられています。 〔ポリエチレンの分解〕 微生物によるポリエチレンの分解に関する研究として、Pseudomonas やBrevibacterium 属などの細菌はポリエチレン分子量が4800以上の培地では増殖しないことや高密度ポリエチレンフィルム (分子量93000)をカビや土壌で2年間処理してもほとんど分解されないことなどが報告されています。そのため、合成高分子であるポリエチレンは微生物によっては分解されないとされていました。しかし、最近木材を腐らせる白色腐朽菌が高分子ポリエチレン膜を分解することが発見されました。高分子ポリエチレン膜を白色腐朽菌で処理すると、窒素源を含まない培地ではポリエチレン膜を分解して膜の伸びと引っ張り強度が著しく低下したのに対し、窒素源 (硫酸アンモニウム) を含むとそれらが変化しないことがわかりました。同じことが炭素源 (グルコース) の有無でも確認されており、窒素および炭素源のない時に効果を示すリグニン分解酵素がポリエチレン分解にも関与していると考えられます。さらに、リグニン分解に関与している3種類の酵素(MnP、LiP、ラッカーゼ)とポリエチレン分解の関係を検討し、MnPがポリエチレン分解に重要な役割をしていることがわかっています。 〔ナイロンの生分解〕 ナイロンは、アミド結合を持つポリアミド系合成高分子の総称であり、高分子ナイロンのアミド結合はプロテアーゼの作用を受けにくいとされています。ナイロンの分解に関しては、Aspergillus属の黴がナイロン繊維の部分的な形態変化をもたらすことやナイロン工場廃液中の主成分であるナイロンオリゴマーをFlavobacterium やPseudomonas 属が分解することが知られています。 白色腐朽菌は、ナイロン66の分解においてもポリエチレンの分解と同様に窒素や炭素源を添加しない培地でナイロン膜を分解し、顕著に崩壊させます。さらに、菌の培養液からナイロン分解酵素の単離・精製をおこない、MnPがナイロン分解にも関与していることがわかっています。 以上のように、白色腐朽菌など一部の微生物は今まで分解出来ないとされていたポリエチレンなどの合成高分子を分解する酵素をもっていることがわかってきています。これらの微生物は、染料の分解・脱色に利用できることや分解による二次的毒性が伴わないことなども確認されています。また、ペンタクロロフェノール(PCP)に汚染された土壌に P. chrysosporium やP. sordisa を添加すると45日で88〜91% のPCPが減少したという報告もあります。従って、これらの微生物の利用が環境汚染物質の新しい浄化方法として期待できるようになってきています。 今後は、既知微生物の新しい機能の発見や効率の良い機能を有する微生物を探索していくことにより、種々の環境汚染物質の分解が可能となり環境修復の幅が広がっていくことが期待されます。 バイオ技術事業化支援フォーラムについて JBAが進めるバイオ技術事業化支援フォーラムについてその概要を報告します。 さて、この20年間のバイオテクノロジーの発展はめざましいものがあり、我が国においても、バイオ産業育成のための諸施策が動きだそうとしておりますが、大学や国の研究機関の研究成果が特許化され、事業化される事例は欧米諸国と較べてかなり少ないのが現状です。 JBAでは平成9年3月より、委員会を設置して「大学等の研究成果を我が国のバイオインダストリーの振興に役立てるための方策」を検討してまいりましたが、今回BTISフォーラムの設立という形で具体化することを計画しています。 近年、我が国でもTLO(技術移転機構)の設立が盛んに行われて頻りますが、本フォーラムはTLOを支援して、バイオの分野における、大学等の研究成果の特許化・事業化推進のための全国的な組織として機能することを目的としております。 具体的には、 (1) 各種データベースの構築 研究者等のシーズ、事業化サイドのニーズを円滑に企業、研究者に伝える a.研究者および研究内容 b.弁理士・弁護士 c.ベンチャーキャピタルや種々の支援組織 d.各種ベンチャー支援制度(出融資制度、税制度等) (2) バイオ技術事業化支援センター(仮称)の設立 大学等の成果を評価するとともに、特許化・事業化の各種アドバイス、スポンサーの紹介等を行う。 a.「評価委員会」の設置 b.「ワーキンググループ」の設置 (3) ビジネスミーティング&シンポジウムの開催 研究者等と国内外ベンチャーキヤピタリストおよび各種企業との情報・意見交換の場の設定と橋渡しを行う。 JBAでは今後、本フォーラムを有効に活用されますようお願いしたいとのことでした。 |