HOBIA NEWS

HOBIAが皆様に活動の内容をお知らせする機関誌です。
第149号以降のバックナンバーが御覧になれます。

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 第210号
・第97回 例会・記念講演会講演要旨(その2)(詳細はここをクリック)
・北海道の安全・安心な食を考える会 参加報告(詳細はここをクリック)
・「バイオビジネスの人材育成とスキル向上に係わるセミナー」 参加報告(詳細はここをクリック)
・絵本「せいめいのおてがみ」 無料配布のお知らせ(終了につき削除)
・平成16年度 総会・記念講演会のご案内(終了につき削除)
・米国農業会(AFBF)セミナーのご案内(終了につき削除)

北海道の安全・安心な食を考える会参加報告
HOBIA副会長 西村 弘行 氏
               (北海道東海大学工学部教授)

 HOBIAニュース2月号で北海道知事に対し、「北海道における遺伝子組換え作物の栽培に関するガイドライン骨子(案)への意見書」を提出し、遺伝子組換え作物の栽培研究の重要性を訴えた記事を掲載しました。道のガイドラインでは、「多くの道民が遺伝子組換え食品や開放系での遺伝子組換え作物の栽培について不安感を抱いており、全国の消費者も同様の意識」を持っていることや「遺伝子組換え作物の栽培は、花粉の飛散による交雑や混入による環境への影響などが懸念」されるため「道内において開放系での栽培が行われることのないよう、強い姿勢で臨むことが必要」などとなっています。しかしながら、開放系栽培については、これまで国の定めたガイドラインに従って、ステップを踏んだ実施では全く問題はなく、またカルタヘナ議定書担保法については、これまでのガイドラインおよびそれに従った実施の経験を法令化したもので、頭から規制する科学的・法的根拠はないのです。これらのことは、本年1月23日(金)に本会の冨田会長が道農政部道産食品安全室の方々と行った意見交換や、道への「遺伝子組換え作物の道民的理解推進への要望書」を通じて、新聞各紙(1月24日付)が一斉に取り上げました。
 そして2月17日(火)北方圏センター国際会議場において、第2回「北海道の安全・安心な食を考える会」が開催されました。この会は、道産食品の安全・安心に関する消費者や生産者など道民の率直な意見や要望を聴き、「食」に関する条例に反映させるため委員会形式で開催されているものです。先に、この会の傍聴者募集が行われ、冨田会長と筆者が抽選で選ばれ、参加致しました。
 まず参加した印象は、委員の中に遺伝子組換え作物に対する専門家が全くいないことでした。このような委員会メンバーとたった2回の委員会開催で来年度、「食」に関する条例の制定をめざすのは極めて危険性をはらんでいるといわざるをえません。今回の条例は道産食品の安全・安心を確保し、@道民をはじめ全国の消費者の健康を守るA北海道ブランドの向上を図る などを目的とし、「環境と調和した持続可能な農林水産業の促進」を基本理念に置いている点では全く問題はありませんが、具体的な施策で問題点があります。意見が分かれているのは「遺伝子組換え作物の栽培の制限」です。この内容は遺伝子組換え技術の全てについて制限するというのでなく、道のガイドライン骨子でいう「開放系での遺伝子組換え作物の栽培」を制限しようというものです。筆者は、今回の委員会事務局より傍聴席からの意見者として指名され、『自分が大学の農場長(夕張バイオ試験農場長)として15年間、無農薬栽培とアグリ・エコ・インダストリー(農業生態産業)を目指す事業を実践して来たが、安全性の高い食料生産はもちろんのこと国内自給率や世界の将来的食料危機を考えた時、有機農業だけでは不十分で、持続的な遺伝子組換え作物の研究は必要である』ことを主張しました。
 委員会委員の中からは、植物(微生物)種を越えた遺伝子組換え作物を開放系で栽培するのは一般作物との交雑や混入の可能性が考えられ、道産ブランドに反するという意見をはじめ、組換え作物に対する反対意見が半数を占めました。一方で、「遺伝子組換え作物に関する知識の公開」「条例制定の参考意見とはいえ、たった2回の委員会で、それも専門家の意見を入れないで事を運ぶのはおかしい」「今すぐ、遺伝子組換え作物の栽培制限を条例に盛り込むのは困難」などの意見も出されました。以下に、この条例に関係する具体的な施策を列挙します。

○安全・安心な道産食品の生産、供給の促進
○クリーン農業や有機農業の推進。遺伝子組換え作物の栽培の制限。生産から流通に至る各段階の衛生管理の強化。農薬の適正な使用や残留農薬の検査体制の整備。動物用医薬品の適正な使用や管理の促進
○消費者と生産者の相互理解と信頼関係の構築
○トレーサビリティシステムの構築。道産食品の独自認証制度の促進
○道産食品の表示の監視強化。地産地消、スローフード、食育の推進
○安全・安心な道産食品の生産環境の保全
○農業用廃プラスチックの適正処理の促進。硝酸性窒素による環境負荷の低減。カドミウム等の有害物質の汚染防止対策の推進

 これまで私達は、遺伝子組換え作物について国の施策は理解しているものの、道内農業生産者や消費者に対する理解・普及に脆弱であったことも否めないことです。消費者あってのバイオ産業であることを認識し、「安全・安心な食生産」を目指し、努力致したいと存じます。HOBIAに対し、会員皆様方のより一層のご支援をお願い申し上げます。

「バイオビジネスの人材育成とスキル向上に係わるセミナー」 参加報告

 1月27日〜28日にかけ、(株)三菱総合研究所(東京)、JBA(同)主催にて「バイオビジネスの人材育成とスキル向上に係わるセミナー」が開催され(於 同研究所)参加しました。以下に概要を報告します。
はじめに主催者である(株)三菱総合研究所より平成15年度実施の「バイオ人材育成システム開発事業」についての概要報告がありました。本事業は経済産業省より三菱総合研究所が委託を受け、全国より45の応募事業者のうち17事業者を採択したものであり、ご承知のとおりHOBIAも採択されました。
 この「バイオ人材育成システム開発事業」の大きな目的は下記の二つです。
・ バイオ分野におけるスキルスタンダードおよび育成カリキュラムを策定し、今後のバイオ人材育成に資する
・ バイオ分野において、産業の現場が真に必要とするスキルを備えたバイオ人材を効果的に育成し、即戦力として輩出する
採択17事業者の取り組むカテゴリーを見ると(複数に跨るものも含む)投資、経営、知財関係が4事業者、倫理、安全、PA関係が4事業者、ITorNTとBTの融合関係が6事業者、医療、創薬などが5事業者、環境や食品が3事業者、OJTが2事業者になる。
 HOBIAの事業はすでにHOBIAニュースにて数回に分けて掲載済みですが、道内産業に最も関わりの大きい「食品バイオ」に特化し「食品バイオ人材育成プログラム」を策定し、社会人・学生31名を対象に酪農学園大学にて実施したところです。前述のカテゴリーにあてはめると食品を中心に投資、経営、知財および倫理、安全、PAと多岐にわたっています。尚、すべての事業者における事業報告終了後、17事業者のスキルスタンダードとカリキュラムは経済産業省より公表される予定です。
 今回のセミナーでは、17事業者のうち、3事業者の関係者も事例発表を行いました。HOBIAの副会長兼企画運営委員長でもある北海道東海大学の西村教授が「地域におけるバイオの事業化と人材育成(北海道の例)」と題し発表を行いました。北海道の基幹産業をはじめ、北海道発の機能性作物(ギョウジャニンニク、ハスカップ、ヤーコン、タマネギなど)を中心とした効能評価や、それらの研究成果から生み出したベンチャー起業の事例までを多岐にわたり発表。さらにHOBIAが実施した「食品バイオ人材育成」についても当初予想を上回る成功事例として付け加えました。
他の2事業者は、
1)名古屋大学農学国際協力研究センター 武田穣助教授が「バイオ分野における産学連携と人材育成」(東海地域の取り組み)と題し発表
2)東北大学大学院 工学研究科 山口隆美教授が「医療工学と医工連携の必要性」と題し発表(山口教授は東北大学 医工連携バイオ人材育成委員会委員長)
 なお、その他の発表演題は「日米のバイオ人材比較」(日本のバイオ人材に求めること)、「DNAチップをめぐる特許訴訟」(知財とビジネスの係り)やファイナンスあれこれなど大変参考になるセミナーでした。
(NPO法人HOBIA理事 吉元 勝雄氏)

 第209号
・知事への要望書提出について(詳細はここをクリック)
・解説 組換え作物に関する要望書について(詳細はここをクリック)
・第97回例会開催 講演要旨(その1)(詳細はここをクリック)
・ネイチャーテクノロジー社が日本バイオベンチャー大賞に輝く(詳細はここをクリック)
・研究室紹介 藤女子大学人間生活学部池田研究室(詳細はここをクリック)
・H15年度全国バイオ団体交流会議報告(詳細はここをクリック)
・新年交礼会の開催報告(詳細はここをクリック)

知事への要望書提出について

 特定非営利活動法人北海道バイオ産業振興協会は、遺伝子組換え作物を取り巻く現在の道内の状況において、本道経済の活性化のためにも、組換え技術の開発・推進を願う立場から、北海道に対して「要望書」(内容はここをクリック)、「意見書」(内容はここをクリック)を提出いたしました。以下、その経緯についてご報告いたします。
 昨年秋より、冨田会長をはじめ、各方面から、遺伝子組換え技術・作物等に関してHOBIAとしての態度を鮮明にし、バイオ技術を通した経済振興を図っていこうという機運が高まり、道知事に対して「要望書」を提出する旨、内部で意志確認が行われました。事務局が「遺伝子組換え作物の道民的理解推進への要望書」原案を作成、企画運営委員会委員の討論・意見交換により文言を決定し、1月20日の理事会に議案として提出、満場一致で承認されました。
 1月23日(金)午後4時、冨田会長と成田事務局長が道庁を訪れ、農政部道産食品安全室・羽貝敏彦参事に高橋はるみ知事宛の同要望書を手渡し、その場で意見交換しました。その際、道が策定予定の「北海道における遺伝子組み換え作物の栽培に関するガイドライン骨子(案)」を提示され、意見を求められました。
 同骨子(案)は、多くの問題を含み、多方面への大きな影響があると判断した冨田会長は、このガイドライン骨子(案)について、1週間後をめどに文書で回答することとしました。冨田会長作成の回答(案)をもとに企画運営委員会委員により文言を決定、1月30日(金)、冨田会長・成田事務局長が道庁を訪問、前回と同じく羽貝参事に高橋知事宛「北海道における遺伝子組換え作物の栽培に関するガイドライン骨子(案)への意見書」を手渡したほか、農政部長、経済部長あてにもそれぞれ同じ意見書を提出したものです。また、同室は、HOBIA提出の「要望書」に対して文書で回答する旨、お約束いただきました。

解説 
組換え作物の開放系利用禁止がもたらす危機的状況について
HOBIA会長 冨田 房男

 私は、会員の皆様への新年のご挨拶のなかで新年をなかなか心穏やかには迎えられなかったと申し上げました。その理由は、2002年年末にバイオテクノロジー戦略大綱が打ち立てられたにもかかわらず大きな進展がなく、それどころか科学的根拠のない風評に踊らされて、茨城県では栽培地が無法者によって鋤込まれてしまうという犯罪行為まで起こったことを上げました。このような動きがあることから昨年の12月12日に全国の科学者有志16名を発起人として、「遺伝子組換え作物の国民的理解を推進する会」を立ち上げ、現在賛同者を集めているところであります。またカルタヘナ議定書担保法も整備されました。HOBIAとしても、「同推進する会」に呼応して、北海道知事宛に要望書を出すつもりで、昨年末から案を企画運営委員会で検討し、1月20日の理事会での決定を経て知事宛提出の手筈を整えていましたが、その矢先に農政部に、まことに奇妙で科学的根拠のない「組換え作物の開放系利用を禁止しようとする指針を作り、さらにこれを条例にしようとする」動きが出てきました(毎日新聞1月22日報道)。この報道があっていささかあわてることにもなりましたが、当初予定通り1月20日の理事会の決議を得て、23日に知事宛提出したところ、ガイドライン骨子(案)を渡され、見解を求められました。この骨子(案)は、先の新聞報道の通り、遺伝子組換え作物の開放系での栽培を禁止するものであります。
 北海道のバイオ産業とくにアグリビジネスに必要な研究開発および商業栽培を、最新技術を使わずにやろうということであり、時代錯誤もはなはだしく、全てが科学的・法的根拠のないことばかりです。
 この骨子(案)中で重みを置いていると思われるのは、北海道議会15年第4回定例会での「遺伝子組みかえ作物の非承認と遺伝子組みかえ食品の表示義務化を求める意見書」(内容はここをクリック)です。しかし、同意見書を読まれた方は誰でも気がつかれると思いますが、この意見書は、「未承認のもの」を使ったために起きたことがらを取り上げて、あたかも、「組換え作物全てが悪い」という、全く筋の通らない主張をしているものであります。
 北海道でもっとも大切なバイオ産業を所管する農政部がこのような意見書を論拠にしてガイドラインを制定するようなことでは、バイオアイランド北海道は何時になったら実現するのでしょうか。高橋知事のBT(バイオ)とIT(情報)を北海道発展の柱とするという言葉とは全く矛盾するような気がしてなりません。どうか知事には早く元気を回復され、適切な道政運営を図ってほしいものです。

ネイチャーテクノロジー社がH15日本バイオベンチャー大賞に輝く!
 去る2004年1月20日(火)、日本工業新聞社が主催する第3回日本バイオベンチャー大賞バイオインダストリー協会賞にHOBIA会員で大学発ベンチャーのネイチャーテクノロジー鰍ェ受賞に輝いた。本バイオベンチャー企業は「健康香料」をコンセプトに各種ハーブの精油を組み合わせることによる自律神経系を中心にした生体調節機能を持った貼付タイプの製品の製造および販売を行っている。製品として「ストレス緩和」「眠気スッキリ」「ビフォアスリープ(安眠)」などの機能を従来の嗅気ではなく経皮吸収で効果を発揮させる独創技術で実用化したものです。道内ではツルハドラックやアインズ等で、また東京方面では、セブンイレブン、AMPM、サンクス等で販売しており、販売戦略もしっかりしている所が評価されたと考えられる。
文責:北海道東海大学地域連携研究センター 所長 
  西村 弘行(ネイチャーテクノロジー株式会社・取締役


ネイチャーテクノロジー(株)の製品

新年交礼会の開催報告
 新年1月20日、HOBIA記念講演会の後、新年交礼会が札幌市内ホテルを会場に盛大に開催されました。ご来賓の北海道経済産業局産業部長・佃政芳氏、北海道総合企画部部次長・石川久紀氏、(財)北海道科学技術総合振興センター副理事長・石谷捷二氏が順にご挨拶されました。
 御3名の方からは、バイオを巡る現在の状況を鋭くとらえたお話と、今後も、それぞれのお立場でできうる限りの協力・支援を惜しまないという、力強いお言葉を頂戴しました。会場では和やかながらも熱のこもった意見交換をする場面がそこここでみられ、約1時間半の交礼会はお開きとなりました。

 第208号
・平成16年新年のご挨拶(詳細はここをクリック)
・第97回 例会・新年交礼会のご案内(終了につき削除)
・第3回 JBAオープンセミナー開催案内(終了につき削除)
・研究室紹介(北海道東海大・西村研究室)(詳細はここをクリック)
・米国AUTMに学ぶ 大学技術移転セミナー開催案内(終了につき削除)
・第2回 アジア乳酸菌学会報告(詳細はここをクリック)
・H15年度 雪祭りシンポジウム開催案内(終了につき削除)

平成16年 新年のご挨拶 「バイオアイランド北海道を目指して」


HOBIA会長 冨田房男

 HOBIA会員の皆様におかれましては、新年を健やかに心安らかにお迎えになられたこととお慶び申し上げます。会長として一言新年のご挨拶を申し上げます。
2004年の年頭に当たり、私も心穏やかに迎えるつもりでありましたが、なかなかそうもいかないのが実状であります。2002年12月にバイオテクノロジー戦略大綱が策定され、いよいよ今世紀はバイオの世紀に向けて進展するものと期待されたところでありますが、残念ながらあまり大きな進展がなかったと言わざるを得ません。特に、科学的根拠のない風評が
広がり、遺伝子組換え大豆が反対者によって違法に廃棄されてしまった茨城県の事件などは、誠に遺憾の極みであります。いよいよ今年からは、いわゆるカタルヘナ議定書担保法も整備され、発効されることになっています。この担保法は、組換え生物の輸出入に当たって生態系への影響をどう科学的に検証するかが問われているもので、基本的なものは既に出来ており、後は各担当者が省令を定めることになっています。私は、必ずや科学的根拠・論拠に基づいたものになるものと信じていますが、しっかりと動向を見定める必要があると思っています。
 北海道は、バイオ産業(あるいは食品産業、アグリビジネスとも言う)に大きく依存しており、その反映として北海道は1000人にも及ぶ道庁所管の研究員がいます。21世紀はバイオの世紀であることから、彼らはバイオの先端技術を如何にして素早く実産業に応用するかが大きな課題であり、いたずらに風評に踊らされることがあってはなりません。行政担当者にしても、バイオ先端技術の中でも最も重要なものである遺伝子組換え技術の利用を阻害することがないよう強く願います。10数年前に賢明なる先輩の力で「遺伝子組換え技術に関する条例を作らなかった」という偉大な決断を重く受け止めたいものです。
 私は、遺伝子組換え技術からできるものが全て良いといっているのではありません。『先端技術を使わないことにする』のは良くないと言っているのであります。どんな手段をとろうが、出来上がったものの安全性が科学的に検証されなくては受け入れられないのは当然であります。科学の進歩を止めるような動き、特に北海道においてバイオの先端技術を止めるような動きは絶対に避けなければなりません。
 このような状況での2004年の出発ですが、科学的な力を十二分に活かし、科学技術創造立国の精神を真に実践することこそが今年のHOBIAの課題であります。会員の皆様そして関連の皆様とともに頑張りますのでご指導・ご支援をどうかよろしくお願い申しあげます。ともにバイオアイランド北海道の実現を目指しましょう。

第2回 アジア乳酸菌学会報告

乳酸菌への学問的、健康機能食品としての興味は、アジア各国でも高まっています。各国の乳酸菌学会の協力と切磋琢磨を目的に本学会が開かれました。第1回は、2001年に韓国で開催され、第2回である本会は、台北にある台湾国立陽明大学で11月14、15日に開催されました。主催は、台湾乳酸菌学会、アジア乳酸菌連合会および国際微生物学連合会(IUMS)で、オーガナイザーは、祭英傑教授(陽明大学)、冨田房男会長、韓教授(韓国)、寥啓成(食品工業発展研究所長)でした。
アジアでの乳酸菌研究の熱は高まっています。2002年11月にアジア乳酸菌連合会を日本で設立し、その後アジア各国で自国の研究会が立ち上がり、3月にインドネシア、5月にフィリピン、9月に台湾でそれぞれ乳酸菌学会が設立されました。
台湾の方々の活躍と貢献は、大きいものでした。台湾の大学はむろん、企業からの支援も活発で国を挙げての支援となりました。加えてIUMSからの支援を得て、アジア乳酸菌学会は、世界的にも認められる学会となりました。
今回の大会は、参加者はおよそ500人。発表者(著者数)を目次から拾ってみると、台湾91、日本85、韓国43、インドネシア12、シンガポール8、タイ4、モンゴル2、フィリッピン2、スコットランド1、フィンランド1となり、台湾、日本が多く、次いで韓国、タイの順でした。
HOBIA冨田会長は、アジア乳酸菌連合の会長でもあり、本会の開催に当たっては、長期にわたる諸外国との調整を行い、シンポジウムでの発表も行いました。HOBIA会員も発表で活躍し、富永氏(道食加研)、横田氏(北大)、浅野氏(同)、小田氏(農研セ)発表のほか、北海道から大勢の参加を得ました。
基調講演3題は、フィンランド・トルク大学のSeppo Salminen教授を迎え、腸内環境と乳酸菌の関係の総説を聞くことができました。日本からは、岡田早苗教授(日本乳酸菌学会長)、台湾からは寥啓成博士で、台湾では乳酸菌食品への興味が、高まり商品数が急速に増えていることが報告されました。シンポジウム11題は、日本5、韓国3、台湾2、シンガポール1。口頭発表34題は、日本12、韓国8、台湾5、シンガポール3、インドネシア3、モンゴル1、フィリッピン1、タイ1。伝統食品から機能性食品の新しい展開まで多くの発表があり、アジアの研究レベルも高いことがわかります。とくに機能性開発に関する発表には、興味が集まり、活発な議論となりました。日本とインドネシアとの共同研究の状況なども発表され、アジア圏としての研究・開発の広がりが、着実に進んでいる様子も分かりました。
アジアとヨーロッパの乳酸菌研究との相違は、食の相違でもあります。ヨーロッパでは、乳の乳酸菌をベースにしての研究が多いが、アジアでは、乳の食文化はモンゴルのみで、他国は、植物由来の乳酸菌をベースにしているのも面白い対比でした。
台湾の一般参加者に地元企業の関係者も多かったのが特徴で、食品製造企業はもちろん食材企業や流通業からも参加がありました。これは台湾の留学生が教えてくれました。このことは、台湾での乳酸菌技術の商品化への興味の強さの表れで、会場でのハプニングにもなりました。企業からの要望で、シンポジウムの講演には、急きょ、台湾語への通訳が付け加えられたのです。主催者の企業へのサービス精神とその対応の早さに驚いたものです。日本からは30名を越える参加でした。
11月16、17日は、東海岸の花蓮へ旅行があり、さらに懇親が深まったとのことでした。理事会の結果、次は2005年にインドネシアのバリ島で第3回 アジア乳酸菌連合会を開催することになりました。
(HOBIA企画運営委員会副委員長 北大教授 浅野行蔵)


懇親会で紹介するインドネシアの研究者たち