HOBIA NEWS

HOBIAが皆様に活動の内容をお知らせする機関誌です。
第149号以降のバックナンバーが御覧になれます。

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 第150号

・私が注目する今月のバイオ情報
・札幌地域研究交流会第2回のご案内(終了につき削除)
・第2回 オホーツク研究交流会 開催報告(要旨はここをクリック)
・「食品と健康」セミナーを終えて(要旨はここをクリック)
・第84回例会報告(要旨はここをクリック)
  バイオ産業立国懇談会報告について
  北のロマンを実現させたAIR DO、Bio Do
  バイオ産業の最新潮流−変わる農業、変わる食品産業

「私が注目する今月のバイオ情報」
  北海道大学農学研究科
   農産物加工工学研究室 教授 伊藤和彦

 これから面白くなる対象は「水」と思う。水の惑星である地球で生活し、体内に60%以上の水を持っている私たちはこれまでどれだけ真剣に水の性質を考えていたであろうか。
 広い意味でのバイオ関連産業に含まれる食品産業を例にとると、水以外の成分については各種の研究が行われているが、原料中に含まれる成分の中で最も多い水についての研究がこれまで非常に少ないのが現状である。従って、水を度外視した食品加工は本来あり得ないはずである。
 最近、水自体に関する研究が盛んになっている。
これはいわゆる「機能水」の出現を契機に生じた現象である。これまで水の研究は基礎的研究が主流であり水の物理化学的特性の究明が行われてきたが、水の各種特性値は分子量18の物質から推定する値とかけ離れている。
 このように理解が難しい水に新たな機能を加えた水が出現したのでかなりの混乱が生じている。
 機能水の定義は各種あるが、機能水と呼ばれている水には@電解質を加えて電位差を与えて処理した水(電解水)、A高磁場・高電場下に置いた水、B鉄化合物で処理した水、Cセラミックスで処理した水、Dミネラルを添加した水、E有機物の醗酵抽出物を添加した水、Fオゾンを溶解した水、G溶解する各種物質を除去した水等になる。
 機能とは我々にとって有効な機能を意味しているので利用する立場として機能が安定して再現性があること、科学的に証明されていることが望ましい。しかし、現在の機能水の世界は正に玉石混淆であり、しっかりとした理論を基に説明が出来るものから、現象としては良い機能を示すが原理が科学的に説明困難なものおよび現在の常識からかけ離れているものまである。
 機能水の中で、当研究室が実際に研究テーマとして取上げているものは「電解水」および「オゾン水」である。
 電解水は水の少量の電解質を溶解し、電気分解を行うと簡単に生成することが出来る。電気分解を行う際に陽イオン交換膜を電極間に入れると、陽極側に強い殺菌力を示す電解水が、陰極側には洗浄能力の高い電解水が生成する。現在利用されているのは陽極側に生成される電解水であり、手指の消毒、食品加工工場の機器の殺菌、医療機器の洗浄殺菌に既に利用されている。これを食品加工の場で原料等の殺菌に利用することが可能か否かを検討中である。
 北海道大学先端科学技術共同研究センターでは多くのプロジェクトが行なわれているが、その一つに平成10年6月に発足した 「機能水の応用に関する研究―電解水、オゾン水等―」がある。
 これは産官学の異業種交流プロジェクトであり、30以上の機関が参加し、研究会およびシンポジウムを開催し、基礎的研究から実用技術まで幅広い活動を行っている。応用面では、電解水を歯科医療、食品産業および農業の場において殺菌剤として利用することを検討している。残存性が無く未来の殺菌剤として注目されている。注目すべきことは農業生産において収量の増加効果も現象として現れている。
 オゾンについては電解水と同様に殺菌効果を積極的に利用する技術の確立を検討している。記憶に新しい「O-157」事件以来、北海道の水産加工工場にオゾン生成装置が導入されたと聞いている。しかし、使用方法を誤ると殺菌効果が期待できないばかりでなく、作業員の健康を損ねる可能性がある。殺菌効果は汚れた(有機質が多く付着している)材料で低いことを正しく認識すべきである。汚れた材料にオゾン処理を行っても殺菌の化学種である発生期の酸素は菌に到着する以前に有機質の酸化に利用され殺菌効果は大きく低下する。
 当研究室で行っている機能水に関する研究の一部を紹介したい。
 電解水(強酸性電解水)を用いてカット野菜の品質保持に関する研究を実施しており、多くの知見を得る事が出来た。濃度0.1%の食塩水を電気分解することによって、pH 2〜3、ORP(酸化還元電位)1、100mVで溶存塩素濃度60mg/Lを示す強酸性電解水が生成される。
 これを用いて各種のカット野菜を殺菌し、鮮度保持期間の延長および品質に与える影響を検討している。現在までの結果を見ると、1〜2分間の処理で初発菌数を1/1000程度まで減少することが可能で、鮮度保持期間が2日程度延長され、アスコルビン酸(ビタミンC)の減少は初期の10%程度に抑制する事が可能である。
 研究の結果、対象とする原料とその調整法(切断法)によって、殺菌効果と品質評価が大きく異なる事が明らかになった。ここに農産物を対象とする殺菌の難しさがある。
 今後は各方面の研究者、利用者そして機器メーカーと共同して研究を進め、応用技術として確立したいと考えており、皆様のご協力を切望している。

 第149号

・ベンチャー企業育成型地域コンソーシアムプロジェクトの概要
・食と健康を考えるセミナーのご案内(終了につき削除)
・第2回HOBIAオホーツク地域研究交流会のご案内(終了につき削除)
・ HOBIA 第84会例会、'99新年恒例会終わる(要旨はここをクリック)
・環境サロン開催報告(要旨はここをクリック)
・全国バイオ団体交流会議、JBA賀詞交換会
・バイオ産業情報化コンソーシアムについて
・シンポジウム「食と健康を考える'98」開催報告(要旨はここをクリック)

「ベンチャー企業育成型地域コンソーシアム研究開発事業」プロジェクトの概要について
   北海道東海大学  環境研究所所長・教授 西 村 弘 行
1.はじめに
 通産省関連事業体NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、産学官連携による「道産バイオマスを原料とした各種生体調節機能物質の生産・利用技術開発」プロジェクト研究(総括研究代表者:西村 弘行)に対し、平成10年度通産省補正予算およそ1億6,980万円を採択した。
本プロジェクト研究の目的は、道内地域に特徴的なバイオマス原料(食品原料)の生体調節機能を解明し、有効成分の抽出・分離技術とフードデザイニング技術を駆使して新規生活習慣病予防製品開発を通じて新産業創出をねらいとしている。プロジェクト研究の組織は以下の通りである。

(1) プロジェクト管理法人
(財)北海道地域技術振興センター(HOKTAC)

(2) 総括研究代表者
 北海道東海大学環境研究所 所長・教授 西村 弘行

(3) 組 織
 a.産業界(産)
 (株)北海道バイオインダストリー、日本化学飼料(株)、
 井原水産梶A(株)新薬開発研究所、ヤクハン製薬(株)
 b.大学(学)
 北海道東海大学工学部、北海道大学薬学部、
 北海道医療大学薬学部、北海道文教短期大学
 c.公設機関(官)
 北海道立食品加工研究センター
 北海道工業技術研究所

2.北方型アグリエコ産業の構築
 21世紀超高齢化社会の到来に伴い、老人性痴呆症、がん、糖尿病等生活習慣病に対する予防医学の確立が急務となっている。道内経済不況と言われる中でも基幹産業をささえる農漁村地域は、ウルグアイ・ラウンド合意に基づく貿易自由化という国際的問題や高齢化に加えて、過疎化や後継者不足の問題で危機的状況に直面している。このような状況下に、北方冷涼地域に特徴的で、古くから個別の薬効性が知られ、多量に生産・廃棄されているもののその有効活用が確立されていない農水産物の各種成人病に対する予防効果を先端科学技術の導入と系統解析により検証し、「美味しく」、「健康に良く」、「安全な」生活習慣病予防製品をフードデザインすると共に、国際競争力に勝ちうる一次産業と二次産業を融合させた北方型アグリエコ産業をめざし、大学が関与する北方バイオベンチャーの起業化を図る必要がある。

3.消費者ニーズの商品開発
 そこで目的達成のため、北海道の主要農産物であるネギ属野菜(タマネギ、ネギ、ギョウジャニンニク等)、北方キノコ類(マイタケ等)、北方小果樹(ハスカップ、マタタビ等)、北方系野菜(ハマボウフウ、チコリー、ヤーコン等)および水産物であるサケ、ホタテ、イカ、コンブとこれら加工場で廃棄される農水産未利用資源を用いて、神経系機能、循環系機能、内分泌系機能や生体防御・免疫系機能などの調節因子を解明し、食に関する消費者ニーズを調べつつ商品開発を行う。
具体的には、まず、ネギ属野菜共通の血小板凝集阻害因子、抗発がん因子、血糖低下因子など、北方キノコ類の免疫賦活化活性因子、整腸作用因子など、北方果樹の抗老化作用因子など、ハマボウフウの抗菌・抗酸化作用因子、チコリーの肝機能活性化因子、ヤーコンの整腸・血糖低下因子などをin vitroおよび各種疾患を発症する老化促進モデルマウス(SAM P1−P10系)を導入したアッセイ系での検証とスペクトル解析により解明する。一方、高齢化に向けて需用が見込まれる魚油あるいは微生物由来のエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などの多価不飽和脂肪酸の抗老化、抗痴呆効果の検証やサケ白子、ホタテ、イカ、コンブ、ウニなどからの含有成分の抗動脈硬化、抗血栓作用、抗発がん、抗菌・抗酸化作用についても検証する。さらに、これら活性物質の抽出・精製法を確立し、加工処理後の加工食品の生体調節機能を確認しながら、消費者ニーズの生活習慣病予防製品をフードデザインする。例えば、産学官連携で起業化したベンチャー企業竃k海道バイオインダストリー(愛称BIO DO)で開発した行者ニンニク卵黄油「黒玉」およびギョウジャニンニク入りギョウザ「菜膳餃子」が消費者ニーズに適合した事例であろう。商品としての販路・流通の研究も検討する。

4.科学技術庁「地域結集型共同研究事業」との連携性
本プロジェクト研究は、地域結集型共同研究事業「食と健康」プロジェクト研究と一部連携することになっている。特に同プロジェクト共同研究グループリーダーの野村靖幸北大薬学部教授「北方系資源の活用によるファインケミカル産業創出のためのキーテクノロジー」と本プロジェクト総括研究代表者(西村)が両プロジェクトに相互乗り入れしている。
両者の差は、地域結集型共同研究事業が基礎的な科学技術開発であるのに対し、地域コンソーシアムプロジェクトは、商品化や販路・流通までを視野に入れた新産業化に向けた研究開発となっている。両者連携することにより、道内経済活性化に貢献できればと考えている。

平成10年度全国バイオ団体交流会議  JBA賀詞交換会が開催されました
1.平成10年度全国バイオ団体交流会議


全国バイオ団体交流会議

 去る1月12日、東京においてJBA主催のもとに平成10年度全国バイオ団体交流会議が開催されました。
 HOBIAからは高尾会長が議長として参加されたほか、福岡事務局長、西陰幹事・企画運営委員会副委員長が出席しました。
 交流会議はまず高尾議長のあいさつ、来賓の通商産業省生物化学産業課 森田課長補佐のごあいさつに続きJBA地崎専務よりJBAの活動報告が行われました。
 森田課長補佐はバイオ産業の国際競争力強化のための戦略として、「21世紀のバイオ産業立国懇談会報告」について強調され、これを受けて経済産業省のビジョンを平成11年度中に取りまとめ、バイオ産業の発展を図る強い意向を表明されました。
 地崎専務は多岐にわたるJBAの活動の中で、特にバイオ産業情報化コンソーシアム(JBIC)ではデータベースやネットワーク等研究開発情報基盤の整備の推進、シニア・ベンチャー・アドバイザリー制度(SVAP)の推進、大学等の研究成果の事業化・特許化のためのバイオ技術事業化支援(BTIS)フォーラムの設立等を強調された。
 引き続き全国11の団体から(沖縄は欠席)、それぞれの団体の活動実績、諸々の課題等の報告がありました。
この中で、講演会やPA事業等の啓蒙活動をやっているが波及効果が見えない悩み、会員の減少続いていること、その対策として積極的に企業のニーズの高いテーマを取り上げたプロジェクト活動に取り組んでいることなどが具体的な取り組みとして発表されました。

全国バイオ団体交流会議

 最後に生物化学産業課の福島係長から平成10年度3次補正予算による公募情報として「課題対応新技術研究調査事業」の説明がありました。
 会議後の懇親会では、全国各地の方々と交流が行われ親交を深めることが出来ました。

2.賀詞交歓会


和やかに進められた賀詞交歓会

 全国バイオ団体交流会議の翌日1月13日にはJBAをはじめ日本のバイオを推進している15団体の共催による賀詞交換会が開催されました。
 高尾会長は共催団体である全国バイオ団体交流会議議長として参加されました。
 会場の如水会館には400名余の多数の出席者で満員状態で、終始和やかに取り進められました。

JBAの活動より
「バイオ産業情報化コンソーシアム(JBIC)」の設立について
 JBAの活動の内、有益な情報を逐次紹介します。今回は昨年11月に設立したJBICについて報告します。

1.JBICの目的

 バイオ産業における「研究開発の効率化、スピードアップ化」をはかるため、産・官・学の総力を結集して「バイオ分野全体に共通して役立つ研究開発情報基盤の整備」を中心とした「バイオ産業の情報化」を推進し、もって日本のバイオ産業の国際競争力を向上させる。

2.JBICの事業
(1) バイオ産業の情報化に関する総合的・体系的戦略の策定、新規情報関連共同プロジェクトなどの企画・立案および調査・研究開発・技術開発の実施。
(2) バイオ産業の情報化システムの実用化、普及の推進各種シンポジウムなどの実施。
(3) バイオ産業の情報化に関する産・官・学の幅広い関係組織などとの交流および連携。
(4) 生物情報科学分野の人材育成など、JBICの目的を達成するために必要な事業。

3.本年度の主な事業
 バイオ創薬の研究開発をモデルに、情報化基盤の開発・実証に着手し、その後、対象を順次広げて行く。



4. 会員および協力機関の募集
(1) 会 員
 JBICの目的に賛同し、総会など事業に参加していただける組織で、年会費は2口以上(1口は50万円)。
但し本年度は半額。
(2) 協力機関
 JBICの目的に賛同し、その事業に協力していただける財団法人、大学、国公私立の研究機関などの非営利組織で、会費は無料。

5. 問い合わせ先
 (財)バイオインダストリー協会内 JBIC事務局
              Tel.03−5541−2731
                      廣瀬、松浦