バイオインダストリー振興事業

北海道の助成、JBA日本バイオインダストリー協会の支援事業


−研究交流事業、地域バイオ育成推進事業−
 地域バイオ育成推進事業
 地域間のネットワークの形勢を推進し、地域のバイオ産業の均衡ある発展に寄与するため、道内各地域のバイオ振興団体からなる実行委員会により、地域が必要としている地域バイオ育成推進講座など各種バイオ産業の振興事業を実施しています。

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  地域バイオ育成推進講座in函館開催報告

 去る平成13年12月7日(金)に、函館で開催された地域バイオ育成推進講座につきまして以下の通り報告いたします。
1.メインテーマ
「バイオテクノロジーの環境への利用セミナー」
2.内容
 基調講演として環境問題におけるオピニオンリーダーの一人である三浦教授から、環境問題の考え方や思想を世界的視野から講演いただいた。その後、環境問題解決のために実際に北海道で産出される産物を利用した技術開発を紹介していただいた。当日は、吹雪の寒い中60名の参加者があり、熱い議論が交わされた。
<基調講演>
「ゼロエミッションとは」−その意味と背景−
北海道大学大学院 水産学研究科 教授 三浦 汀介 氏
1.環境思想
 環境問題に関する以下の4人の著名人とその言葉を紹介した。(詳細は省略)
 ポール・ホーケン(環境問題研究家、作家、起業家)
 フリッチョフ・カブラ(物理学者)
 レスター・ブラウン(ワールドウオッチ研究所設立者)
 アルネ・ネス(ノルウェーオスロ大名巻数授)
2.環境問題の現状
 日本は、人口は世界の2%であるが、世界一の食杜貿易国で、世界の水産物の28%、林業の20%、穀物の8%を輸入している。これを窒素循環から見ると、日本全土で毎年83万トンの窒素過剰となっている。
発生源での解決法と排出口での解決法があるが、4R(Reduce(ゴミを少なく),Reuse(何度も使う),Recycle(再生使用),Refuse(いらないものは拒否))が大切。
3.ゼロエミッションの意味
 国連大学の第2期研究活動指針で、当時の学長顧問であったグンター・パウリが提唱した。廃棄物をゼロに持っていくというのが、単一の企業やプロセスだけでは難しい。産業クラスター全体で廃棄物を限りなくゼロに近づける。日本におけるゼロエミッションの成功例として、甲府市にある国母工業団地がある。世界で有名なのは、デンマークのカロンボー工業団地がある。業種の異なる、5つの企業と一つの市が融合することによって利益を生むという非常な理想的な形だ。
 ゼロエミッションの意味は、@残渣が発生しない工業プロセスの開発を行う、A発生してしまった残渣は完全にリサイクルさせる、B産業界から発生する残渣を出来るだけゼロに近づけることを実現していること。
 産業界における廃棄物対策としてこれまで
1)エンドオブパイプ処理法(排気ガスを白金触媒で処理‥何ら問題解決にならず)
 2)クリーナー・プロダクション(低公害型‥大きな発展はない)
 3)ゼロエミッション
の順番で進んできている。今、必要とされるのは、学者、政府、環境団体などの、未来社会に責任を持つこれらの人たちの協力である。
4.実践の枠組み
それでは、達成するにはどうしたらいいのかと言うと、バックキャスティング手法を用いて、持続可能な社会をイメージして現在の社会から向かう道筋を作ることが必要で、これまでのフォアキャスティング手法では駄目。F・シュミットブレーク博士は「持続可能な経済社会を実現するには天然資源の利用効率を10倍に高めることが必要」とする「ファクター10」理論を提唱している。前提条件、平等の原則から一人当たりの年間移出圭を同一とする考え方。
 エコロジーには7つのキーワードがある。
@相互依存(one for all,all for one)
A循環(エネルギーと物質の交換)
Bパートナーシップ(競争と協力)
C柔軟性(自らの在り方を変化させる)
D多様性(よりよく保存される)
E共生進化(創造と相互適応)
F持続可能性(自己組織、持続性の最大化)

「ジャガイモを原料とするL−乳酸の製造」
産業技術総合研究所 北海道センター 非常勤職員 森田 幹雄 氏
1.はじめに
 プラスチック廃棄物問題は1960年代から起こってきた。1980年から生分解性プラスチックの研究が盛んに行われるようになった。その一つに乳酸ポリマーがあり、石油系プラスチックに匹敵する機械的性質、成形加工性が得られる。乳酸ポリマーの製造にはL−乳酸が必要であり、L−乳酸は発酵法で作られ、原料として糖質、デンプン質が必要となる。北海道は、この発酵原料となるビート類の糖質源や馬鈴薯などのデンプン質が豊富で、遊休耕地の活用を図れば増産も可能である。この環境問題と道内農産品の活用の観点から、馬鈴薯からL−乳酸の発酵製造法の開発を試みた。
2.基盤研究
 平成4年から研究を開始し、その成果をもとに平成9年から11年まで企業化の研究を行った。馬鈴薯そのものを利用し、デンプンを糖化できるLactbacillus amilophilus JCM 1125株という菌を使って乳酸発酵し、最終的に粗乳酸を重合して粗ラクチドをつくり、それを晶析してラクチドを得た。現在、乳酸ポリマーはいろんな製品に加工されて実用化が進んでいる。
3.企業化研究
 培地は、実験レベルではペプトン、酵母エキスという高いものを使っていたが、ホタテウロ、いかゴロを使って発酵試験を行った。いかゴロ、ホタテウロは標準よりもよい結果を示した。いかゴロ2.5kgからエキス600gを得ることが出来る。これでコストも大幅に下がった。物質収支を計算すると馬鈴薯5トンから高純度のラクチドとして610kgをとることができる。40億円の設備投資をして製造したと考えると、粗乳酸は260円/kg、ポリラクチドは570円で出来る。石油系のプラスチックは300円/kgで約2倍だ。現在、製造してくれる企業を探している。

「ほたて貝殻の資源化技術の現状と将来」
小樽商科大学 環境科学研究室 助教授 笹木 圭子 氏

1.はじめに
 平成10年に乗境科学の研究室を小樽商大に作った。社会科学系の大学で理系の実験室を作るのは大変だった。ホタテ廃棄物は1980年から増え続け現在年間30万トンと言われている。その2/3が貝殻で8割が北海道に捨てられている。ホタテ貝殻の処分に関する問題点として、産業廃棄物としての規制、埋め立て用地が不足、悪臭などの環境問題がある。ホタテ貝殻の資源化を総合的に考えようと、大型の予算が動いている。
2.ホタテ貝殻から炭酸カルシウム
 有効利用するに当たっては、中身を知る必要がある。ICP多元素分析法でホタテ貝殻(焼成分)を調べたらCaOが96%で、以下PbO:1.65%、MgO:0.27%、A1203:0.20%、SiO2:0.29%となる。食用とするにはPbが問題だ。用途によって、微量元素の問題が変わってくる。炭酸カルシウム(ホタテ貝由来)の特徴として、@天然、生物由来、A高純度、高均質性、B高白色度、C緻密な組織などが挙げられる。
 炭酸カルシウムは重質炭酸カルシウム(0.5〜2um)と軽質炭酸カルシウム(0.05〜0.5um‥いわゆる沈降性)に分けられ、軽質は白色で純度が高く、純水に難溶、適当な比重を持つなどの特徴から、ゴム、プラスチック、塗料の増量・充填剤、製紙用塗工剤などの重要な工業原料で値段が高い。


セミナー開催風景
3.結晶構造
 化学組成は同一でも原子配列が異なるもの同士を同質異像といい、炭酸カルシウムは以下の3種類がある。
Calcite(方解石)六方晶系‥Caの配位数6
Aragonite(あられ石)斜方晶系‥配位数9
Vaterite(自然には存在せず)六方晶系‥配位数6
 このうち、Aragoniteは比重、硬度が高く、結晶形態が針状で、補助顔料、プラスチック、ゴム、製紙に利用可能で付加価値が高い。
4.製造方法の検討
 純粋なAragoniteを作る製造方法を検討した。目標は
 1)常温でも合成可能
 2)水溶液系における反応
 3)炭酸カルシウムとしてほぼ100%の純度
 4)試薬の再利用が可能
であった。その評価は、結晶系を]線回折分析法、形態を走査型電子顕微鏡観察、その他白色度、かさ比容を比較して行った。その結果、常温35℃でMgを加えた水系での反応で、ほぼ100%純度の細くて長い結晶構造を持つAragoniteを合成でき、しかも試薬は再利用が可能であった。また、最初35℃で作り、2度目を60℃にするとさらに細長いのが出来た。今後、ホタテ貝殻由来の炭酸カルシウムは、生分解性プラスチクス、食品添加物、配合飼料遅効性炭カル資材、汚泥などの凝集に利用されるだろう。

  地域バイオ推進育成講座(札幌)開催要旨
 地域バイオ育成推進講座については、国・北海道および道内各地域のバイオ産業振興団体が連携し、実行委員会方式により平成6年から継続して開催しているもので、今年度も札幌市、北見市、函館市で開催されます。
このうち、去る2001年10月11日(木)に札幌で開催された講座について以下の通り報告いたします。

テーマ
「北海道の植物素材の付加価値の付け方」
  〜消費者のアンテナは、何に感ずるか?〜
開催場所
 札幌市中央区北4条西4丁目 札幌東急ホテル
開催日時
 平成13年10月11日(木)13:30〜17:00
内容
 今、ベンチャー起業の気運は高いものがあります。長い歴史の企業は、時代に即応した業態変化を模索しているのが実態です。このような状況の中で、今回は創業間もない2つのバイオ関連企業の現状について話題を提供頂き、北海道での起業の状況、コアテクノロジー、企業ポリシーについて紹介していただきました。続いて1時間以上の討論を行い、起業成功の糸口を探しました。
【プレゼンテーション】
「北方系植物を中心とした健康香料による産学官連携事業の展開」
ネイチャーテクノロジー(株)  代表取締役社長 刈田 貴久 氏
 2000年4月に創立し、本社、工場とも岩見沢市にあり、資本金は1億円である。株主は役員とNPOはまなす活性化推進機構(岩見沢市の起業家やベンチャー企業の支援機構)、日本ベンチャー、三和、富士銀キャピタルなどバイオ専門のブティックキャピタルが多く、従業員13名、パート8名である。
 当社のコア技術は、DGDS(ドラッグ・ガス・デリバリー・システム)で、植物オイル中の挿発性成分を主成分とした有効成分を皮膚や粘膜から吸収させる経皮・経粘膜吸収製剤である。使用は簡単、商品の粘着テープをはがして皮膚や衣服につけるだけである。原料は、ラベンダーやローズマリーなどハープの挿発成分である。DGDSの特徴は、皮膚吸収なので速効性があることで、万一副作用があっても、すぐ外せるので安全である。揮発時間を調整できるので薬効時間を短くも長くもできる。
 東京からなぜ北海道に来て起業したのかですが、北海道には資源が豊富でハープの将来性がありそうだったこと、固定費が安くつくこと(会社経営の固定費は、5分の1に減った)、岩見沢は光ケーブル完備でインフラが整っていること、札幌は、静岡と共に新製品のテストマーケットとして有望なことも一因である。逆に北海道の短所については、人材が足りないことで、パートを募集しても集まらない。販売業務は首都圏集中であり、どうしてもロジスティックが弱くなる。
 当社の製品健康香料イージーエイドは、医薬品ではないが、効果としては主に抗ヒスタミン作用があり、20〜50歳のアレルギーに悩む女性むけに都内の薬局・薬店、東急ハンズ、通販で販売している。
 DGDSの研究開発は、外部委託を活用している。日本医科大学と東京医科歯科大学では、アレルギーへの効果を動物と臨床実験で行い、結果を日本アレルギー学会や日本薬理学会で発表した。抗酸化作用の検証も行っている。猫に色素メチレンブルーを飲ませると赤血球が酸化障害を起こすが、40時間後、酸化障害の形成率は、イージーエイドを貼ると30%抑制された。現在発売している製品はヒト用が4種類、他にネコ、ウマ用がある。さらに、31種の健康香料と5種の機能性香料を開発している。
 DGDSは国際特許で権利化を進めている。ネーミングが重要と考えており、製品名、製品ブランドに関する商標もきちんと押さえている。
岩見沢も北海道も表に出したい。生産農家にもリンクし、試験栽培は、岩見沢農協と協力して休耕田にハープを構えている。夏のスキー場にラベンダーを植えれば観光事業へのシナジー効果も期待できる。社会貢献のためには、産学官連携が必要となるであろう。
【主な質疑】
Q.北海道での起業と戦略は?
A.長短両方ある。売上額だけでなく、資産やシナジー効果を求めるなら、首都圏でなくとも良い。大マーケットは、売上げは大きいが、固定費、人件費が高い。両方のバランスが大切。
Q.マーケット規模の想定はどの様にして?
A.計画とは別に、自分たちで積み上げていく。消費者が愛着度を増すようにマーケッティングする。半年毎に見直す。

「ヒト介入検証による道産植物の高付加価値化とベンチャー企業戦略」
 東海大学工学部 生物工学科 教授 西村 弘行 氏
 今や10人に1人は、糖尿病か血糖値が高い状況である。中高年はみな予備軍で、これには食生活が関係している。北海道の食材を使って、新しい機能を見出し、食品開発をし、新産業に結びつけることをめざしている。北海道の食材(タマネギ、ネギ、行者ニンニク、きのこ類、リンゴ、ハスカップ、チコリ、ヤーコン、サケ、イカ、コンプなど)を使い、まず辞素特異的な細胞系での試験、そしてマウスで試験してきた。行者ニンニク(ユリ科ネギ属)は、運動持続性を増す効果があり『元気元』として商品化した。これを飲ませてネズミをプールで泳がせると、ずっと長く泳いだ。
脂質改善、体脂肪燃焼効果が証明され、スポーツをやる人にはとても良いだろう。
 現在、糖尿病息者を使った検証を進めている。ハスカップジュースを飲ませると、抗酸化作用が発拝され、血漿中の過酸化脂質が減った。また、タマネギー個分をみじん切りし、一時間放置した後、調理して食べると血漿中の過酸化脂質の量が低下した。過酸化脂質量の多い人ほど低下が大きく、もともと低い人は、それ以上は下がらなかった。
 今年の8月から、OEMとして製造した新製品『西村ギョウジャニンニク』を東京で販売しており、売り上げは順調である。また、別の企業からは、ヒレハリ草の消臭剤の販売をやりたいとの要望があり、契約を結び12月には販売する。OEMで出せるのは非常に楽で、販売は得意とする会社が行うような形で全国に広まっていけばと考えている。
 以前、ギョウジャニンニク入り餃子を販売したが、ナマモノは、賞味期限が短く、在庫は廃棄となり失敗し、学んだことは多い。将来は、鮫子激戦区の宇都宮との連携に興味ある。競争があるところは差別化を求めている。

【主な質疑】
Q.健康食晶のターゲットとしている年齢は?
A.中高年である。
Q.治療を目的としているのですか?
A.あくまでも予防を目的としています。医薬品ではありません。
Q.パンフや商品表示の薬事法の対応は?
A.北海道の薬事課の指導を得ています。
Q.「独り善がりな製品」と「オリジナル製品」はどう違いますか?
A.紙一重ですが、業として成り立つためには、社会ニーズ、消費者ニーズの分析をして、それに見合うような製品は独り善がりではないオリジナルと云えます。



地域研究・技術開発交流会(釧路) 報告

 平成13年2月23日(金)に釧路プリンスホテルで標記会合が行われた。第一部は60名を越える参加者があり、関心の高さが伺われた。北海道総合企画部科学技術振興課 課長補佐 場谷氏から以下の開会の挨拶があった。
「これまで以上に科学技術の推進を図ります。5カ年間の新科学振興、産業技術力向上に向けた産学官共同研究を推進したい。また、24兆円の政府関係開発投資のなかで、国および地方公共団体の研究プロジェクト予算も年々増えている。両者を結びつけるコーディネータ事業が益々重要だ。大学などのシーズを企業ニーズに結びつけることが重要だ。北海道は、明日への競争力を付けることが重要で、本日は研究開発の一助となればと思い開催いたします。」

地域研究・技術開発交流会 (第一部:講演)
−釧路地域特産の水産物の発酵・熟成技術を活用した新製品開発− 「発酵と道(どう)おこし」
東京農業大学   教授 小泉 武夫 氏

1.はじめに
若者の食べ物を見たらその国の将来が分かる。食べ物は体を作り心も作っているが、その大切さを忘れている。鯨の委員もやっている。鯨をもっと食べなきゃだめだ。日本近海でも30万頭いる。鯨は人間の7倍から9倍食べているので、鯨を食べないと鯨の生態系が狂ってしまう。実は、アメリカは150頭も捕っていて、イヌイットの人々が食べている。しかし、日本が調査捕鯨をすると言ったら経済制裁をすると言ってきた。アメリカの国内法の中に野生保護法があり、それに違反したからバッシングした。強い日本にならないといけないと思っている。
2.FT革命
 万物創世記と言う番組で、FT (Fermentation Technology)革命がこれからの日本に大切だと訴えて大変反響を受けた。発酵は、味噌、醤油、酒などに通じる。たとえば、納豆菌は、病原性大腸菌を殺してしまう能力を持っている。アミノ酸の多くは微生物で作られている。ビタミン類、各種ホルモン、さらにはチーズなどを作る酵素も今は微生物が作っている。微生物が作る酵素は医薬や臨床検査にも酵素が使われている。また、環境問題も微生物が解決している。日立も家電の会社と思ったら大間違いで、同社は環境微生物に大きな力を注いでいるし、ライオン、花王もそうだ。発酵に力を入れていた企業はすべて伸びている。
3.4つの問題
 人類は、環境、健康、エネルギー、食糧の4つの問題を抱えている。これらは間違いなくFTで解決できる。生ゴミはゴミというからだめで、資源と言えばいい。生ゴミは堆肥の原料です。農家が2軒以上集まって農業法人を作り生ゴミから土作りをしたいと思ったら、国からの援助もあるでしょう。この4月から生ゴミは燃やせなくなるので、地方行政は本当に困っている。人口3万くらいの町なら100m四方の施設をつくれば生ゴミを処理し、土作りをする。いい農作物ができて、人間が幸福になる。そのお金を酪農家に還元すればいい。
4.高知県の例
 高知県土佐佐賀町での例です。6年前に橋本知事になり大きく変わった。高知県は日本一のカツオ節の産地、この鰹の処理であらが出て、産廃業者がトン当たり3万円で海洋投棄していた。土佐佐賀町では、あらが10トンでる。あらで魚醤を作り、今ではトン当たり30万円の利益になり、東京駅大丸で売っている。私が指導して作った魚醤は、質が良いので高く売れるから儲かる。
5.北海道への提言
 北海道は、日本では一番資源を持っている。そこでFT革命を起こさないのはおかしい。私が北海道の知事なら、日本から経済独立させる。北海道はせっかくの良い資源を何もしないで出している。付加価値をつけなきゃダメ。北海道ではカボチャがとれるが、これから砂糖をつくるのが一番儲かる。βカロチンもビタミンも入っている砂糖だから大変な付加価値になる。カボチャを甘酒にしてみると信じられないくらいの美味しいものが作れる。この甘酒を濃縮してとろっとさせると、これがまたうまい。余剰野菜は捨てないで発酵させればいい。野菜ビシオ、野菜のお醤油ができる。
 北海道は590万人もいる。ヨーロッパでは一つの国だ。フィンランドは490万人です。北海道は大臣もいて、地方交付税もたくさんもらって未だに赤字公共団体とは全くなさけない。フィンランドは1兆4000億円の黒字で、しかも北海道よりも寒い。皆さん悔しくないのですか?私が北海道知事なら、若い人間をフィンランドにいかせて2-3年したら部長にして、誰がなんと言おうと思い通り実行させる。これくらいやらないとだめです。
5.最後に
電通に2500人のモニターを頼んで、発酵という文字のメージを尋ねたら、1位自然食、2位本物、3位手作り、4位健康・・と言う具合です。13位にバイ菌がでてくる。これは勘違いだからオミットすると全てが良いイメージです。これと北海道の良いイメージをドッキングしない手はない。私が書いた本「漬け物大全」も半分くらいは魚の漬け物を書いている。是非、参考にしてほしい。前回札幌で同じことを話したけども、誰も言って来なかったのでとてもがっかりした。釧路の皆さんがどんな反応を示されるのか楽しみにしています。


第一部 講演される小泉氏

地域研究・技術会発交流会 (第二部:意見交換)
 引き続き行われた第二部では、参加者を絞り、活発な討論をしました。参加いただいた企業7社から、スモークサーモン、蛸、イカの塩辛、いずし、タラコ、明太子、筋子など自社製品を持参願い、試食しながら議論しました。
小泉「売れる商品の法則は、履歴現象が発現が重要。先天的履歴現象とは生まれてすぐに覚えた味覚でこれはその人の素地となる。問題は後天的な履歴現象で、初めて食べるものは無意識のうちにそれを受け入れるか食べるかを判断する。その判断が脳にすり込められる。おいしい物は、脳にその風味がすり込められ脳がそれを要求するようになる。そうなったら黙っていても売れる。日本各地に、履歴現象を発現する食品が幾つかある。釧路の皆さんの製品もそれに非常に近いし、すでに発している製品もある。非常にうまい製品ばかりだ。」
先生からは、宿題もいただいた。釧路が、どのような回答を出せるのか?小泉先生の最後の提言「釧路で"売れる魚を作る会"を立ち上げて、その中から推薦されたものを流通に乗せていくような試みも必要」も魅力ある方向です。
最後に、今回の釧路地域研究・技術開発交流会は釧路の底力を感じるすばらしい熱気に包まれたまま終了したことを報告します。


第二部 意見交換会場風景