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近畿バイオインダストリー振興会議との交流事業 |
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平成17年7月11日「オホーツクのバイオ素材の可能性〜生産者と利用者を結ぶ懇話会」と題して、近畿バイオインダストリーとの交流事業が行われましたのでご報告いたします。 【講演】 「タイトル(月曜に事務局が記入します)」 北見工業大学教授 山岸 喬 氏 北海道の食品素材と、それに関する研究について紹介する。機能性食品は非常に大きな市場になりつつある。食品の機能性評価で重要なことは、人で効くことである。生化学者は細胞や酵素レベルで、化学者は成分分析から始めるが、定量分析や動物試験、複合的な効果の検討が必要になる。自分は、伝統的な食履歴や疫学調査などのデータを重視していて、こうしたことをベースに研究を進めている。これからは、遺伝子レベルの研究が重要になると思われる。例えば、食品の焦げの中にあるベンツピレンの発ガン性などの研究が好例である。テーラーメイド食品なども遺伝子レベルの研究と関連しており、糖尿病に関する遺伝子発現の研究でもよく知られている。最近注目されている研究では、食によってRNAの発現が変化するという研究がある。 私が行った、エスラジオール様の成分についての研究では、DNAチップで検討した結果、アポトーシスとエストラジオールの受容体関連遺伝子に変化があった。日米の平均コレステロール値の変化について調べると、食生活の変化で値が接近している。また、日本人の死因の変化も食生活の変化が影響している。近年、前立腺ガンと乳ガンが急増しているが、これも食習慣と関連している。 過去の食経験を探ってみると、江戸時代に蝦夷地警護のために来道した仙台藩士に同行していた医師の高屋養庵は、アイヌネギの効用について書き残している。松浦武史郎もアイヌ人の食について触れていて、かなりの栽培作物を作っていて、ルタバガ(スウェーデン蕪)をアイヌが栽培していたことが書かれている。岩谷省達は『胡地養生考』、ハマナスを煮てお茶のように飲むと良いことをアイヌが知っていると書いている。何故かいくら加熱してもVCが減らないことが分かり、VCがポリフェノール類との重合体を作っているために、加熱しても安定であることが分かった。また、便の臭いや老人臭の抑制効果もあることが分かった。 北見及び周辺地域を見ると、ソバは2,000年以上古い遺跡の中で見つかっている。ゴボウも、かなり早くに北海道に入ってきている。ヤーコンやケールなどの新しい植物も育てられている。ナガイモも健康食品の原料として、オホーツク地域から台湾などに輸出されている。ハトムギは、農業試験場で寒さに強い新品種が育種された。チコリも、端野町で栽培している。ベニバナもおそらく油の原料として導入されて、道内の遺跡から見つかっている。ルバーブは宣教師によって、古い時代に北海道に伝えられた。 ホタテの中腸腺は、ミネラルが豊富である。その外套膜は外部から入ってくる成分を漉し取る器官だが、そこに金属と非常に親和性の強い成分を見つけて、特許を取った。昆布については随分前から検討しており、水に溶けやすく加工した「ソルギン」はコレステロールの排泄を助ける機能を持つ特定保健用食品として、大正製薬では「コレスケア」、カイゲンでは「コレカット」の商標で発売している。捨てられていた昆布の仮根(ガニアシ)にはカリウムが豊富で、ナトリウムが少なくカリウムや他のミネラルも豊富なガニアシを使用した減塩塩を開発した。この仮根には、抗腫瘍活性もあることが分かった。 アメリカでマーケットを訪れた際に、非常に多種類のタマネギに驚いた。道の農業試験場などでは、育種に努めている。光を当てることにより、フラボン含量等の成分が変化する。当てる光の波長によって変化する成分が異なり、これにより新たな特許を出した。(文責:富永一哉 企画運営委員) 「不凍タンパク質含有大根エキスの製造とその応用性」 河原秀久:関西大学工学部助教授、(有)ビッグワールド取締役 世の中に身近にある事象やものを使って研究されている学舎らしくない先生と座長が紹介されました。 自然界では、低温から守るシステムがある。例えば、アメリカアカガエルは、細胞表面を瞬時に氷で覆い(氷核タンパク)低温から身を守る。 氷結晶制御とは?2つの方法がある。(1)積極的に氷を作る。瞬時に凍らせる。先に凍らせて、他を保護する。(2)「抗氷核」凍らせない。低温になっても凍らない(過冷却温度を下げる)(3)この他にも、凍結保護多糖(酵母の中に見つけた)もある。 不凍タンパク質があると氷の結晶形が変わる。6角形、菱形針状結晶。種々の生物に不凍タンパク質が、あることが判ってきた。タンパク質としての共通点はない。共通なのは、氷の4.5Aの格子画のところにスレオニン残基が、あてはまる構造であること。 すぐ思いつくのは氷菓子。世界的に興味を持たれおり、ヒルスバリー(米国)、ユニリーバ(ヨーロッパ)なども積極的に技術開発を行っている。冷凍貯蔵中の食品の物理的変化で、最も嫌われるのは、氷の再結晶化。解凍時に組織が壊れテクスチャーが極端に悪くなる。 <不凍タンパク質の効果> 【例1】魚(ワカサギ)由来の不凍タンパク質を野菜にしみこませれ(0.5μg/ml)ば、凍結しても組織が保持された。【例2】うどんに添加する場合では、最適濃度は10μg/mlであった。うどんに不凍タンパクを加えると、ねかし行程が不要になる。ねかさなくても生地がねかした状態となり製造時間が短縮された。【例3】不凍タンパク質を大豆タンパク質に加えると、可溶化するタンパク質が増加した。理由は研究中だが、膜の安定化と関係するか?豆腐製造に使うと。何もしないと解凍すると高野豆腐状態。不凍タンパク質を入れると解凍しても密な質が保てた。 野菜にも不凍タンパク質が含まれることを見つけ、すべて特許化した。キャベツ、ブロッコリーなどアブラナ科植物に発見。中でも大根は多いことが判った。しかも大根の葉は、廃棄物。大根葉1Kgから不凍タンパク質エキス約1gが取れる。これは、7.5トンのうどんに使える。製造企画すると、週2トンの大根を処理すると不凍タンパク質エキスを月産80Kg製造できる。グラム単価2万円とすると月売上げ16億円となる。用途もお弁当やチルド品など市場拡大の可能性は高い。 【質疑応答より】不凍タンパク質は、種々ある。アブラナ科からは、1万D以下の低分子のものも見つかっている。北海道の産総研で行われているのとは、全く違う。酵素活性としては、キチナーゼがあるが、ストレスタンパク質同じキチナーゼでも構造は違う。肉に与えても分解など起こさない。低温にするとタンパク合成が、誘導される。サルチル酸でも誘導がかかることを発見した。大根葉からの製造は、精製を行っていない。有効成分のタンパク質は、10%以下の含量である。 (文責:浅野行蔵 企画運営副委員長) 【質疑】 Q:オホーツク地域で、今後有望な食資源は何か? A:かなりの植物がどの地域でも栽培可能なので、何でもできると思う。重要なのは、素材から発見した効用を地域で特許化して行くことである。 Q:ケールを生産する場合、農薬は必要ないか? A:アブラナ科の植物は虫が付きやすいので、ケールは若干強い植物だが、農薬は必須である。 Q:チコリの話でイヌリンという名前があったが、どの様な効果があるか? A:イヌリンは果糖が高分子になったものだが、人は消化ができないので食物繊維となり、血糖値の抑制に繋がり、善玉の腸内細菌を育てる。軟白チコリは根を捨ててしまうが、これを焙煎してチコリ・コーヒーとしている。また、根を微生物処理して、カルシウムの吸収を助けるDFAVができることが分かっている。チコリは病虫害に抵抗性があり、農薬を使わない栽培ができる。(西村先生の回答) Q:タマネギに対する光照射で、ケルセチンができると思うが、配糖体で入っているのか?アグリコンで入っているのか? A:両方とも増える。薄皮の部分が光の吸収帯になっているが、これを取り除いて光を当てている。そうすると、成分が劇的に変化する。 【パネルディスカッション】 (パネリスト、講師のほか、会場からも発言あり) 西村座長:まずは、パネリストの御紹介をする。各パネリストから、一言御自分のお仕事を御紹介願いたい。 奥山氏:白滝村で建設業をしている。西村先生に研究開発担当取締役をしてもらっている有限会社の大地の香では、農家が緑肥としているヒマワリを利用したいと思った。そこで、花粉から機能性食品を作ろうとした。技術開発は昨年度までにほぼ終わり、東海大学から出ている論文において生活習慣病に効果があるとされた。こうした開発努力が、農家の収益と農業振興に役立つことを願っている。私事ながら、西村先生に健康食品を扱う人は自分も健康である必要があると言われ、大減量をした。 渡辺氏:金印は、ワサビの製造会社である。当社は本社が名古屋にあるが、西洋ワサビの原料の栽培適地を求めて北海道に工場を建設した。現在、契約農家の土地は150町歩に達する。こちらでは農業問題にも取り組み、ジャガイモのソウカ病などについても興味を持った。ワサビの製造残渣の堆肥化にも取り組み、発酵技術により畑に還元することができた。これにソウカ病の抑制効果があり、多少とも地域貢献ができたのではないかと思っている 太田氏:道立オホーツク圏地域食品加工技術センターの事業について、ダウンストリームの支援という切り口で紹介する。バイオに関する研究としては、酵素加工技術開発を行ってきた。テーマとしては、麹と乳酸菌の技術開発を行ってきた。素材としては、タマネギや海産物を扱ってきた。これによって、商品化にも成功し、特許も取得できた。この中では、研修生や研究会が重要な役目を果たしてきた。今までに、29品目の商品化に成功している。地域アグリビジネスへの支援は、試験研究や共同研究・受託研究を進めていて、H16で受託件数は6件、H17は10件となっている。 角田氏:北見市で農業をしている。農園自体は息子に代を譲っており、(有)ハッピーファームという事業を現在は主宰している。主として、ガーデニング用の土を販売している。ブルーベリーを安く作れるシステムがないかという話があり、これも検討している。ハマナスの栽培にも興味があるが、これはまだ手を付けていない。人件費の安い地域とも競争できる生産システム作りを模索しているので、アイディアがあれば御紹介願いたい。 小野寺氏:常呂町で農業をしている。当初はあまり難しいことは考えていなかったが、ウィルスフリー苗やマイクロチューバの導入を始めている。地場品種を使い、加工用のニンニクを作り始めたが、これにもバイオ技術を導入できないかと考えている。 西村座長:国際競争の中に乗り出していく中、技術開発や販路開拓の必要がある。金印の渡辺さんに伺うが、堆肥ビジネスはまだ大きなものではないのか。残渣は、全て工場から出るものか? 渡辺氏:まだ試験的で、工場から出るいろいろな原料残渣が入っている。 西村座長:角田さんが扱う堆肥はどの様なものか? 角田氏:古い牛の敷きワラを使っているが、なかなか品質の調整に苦労している。花に良いものが望まれているが、ニーズに対応するのは難しい。 西村座長:北海道では結構堆肥が出回っていて、海産物を利用したものもある。栄養価等から見て、こうしたものは効果があるのだろうか? 角田氏:会場にいらっしゃっている菊池さんと言う方がこの分野に詳しく、海草類の効果があると思うが、まだ検討段階である。金印が製造した堆肥も検討しているが、少々値段が高いと思っている。 渡辺氏:畑作産品で、機械化が進んでいる分野に利用するには、我々の堆肥は高いだろうと思う。 西村座長:事業化と言う切り口からこうしたアグリバイオビジネス事業を見ると、どう思うか? 奥山氏:クラスター連携を通して、地域の産物の加工・事業化に取り組んでいる。産学官の連携で進めているが、金融の協力が必要と考えている。クラスターの仲間にも、幾つかの金融機関が参加している。また、大学や公的機関との協力も重要である。 西村座長:西オホーツクはなかなか進んでいると思う。民意を汲んだ開発も必要だろう。公的支援を取ることも必要と思うが、食品加工技術センターではどうしているか? 太田氏:実際、科研費を今年取得した。こうした努力はあるが、製品開発には大きな金額でなくとも良いが、大事なところで若干の費用を出してもらえると助かる。 西村座長:山岸先生に、そうしたプロジェクトを持ってくる面で、アドバイスをお願いしたい。 山岸先生:外部資金導入には、成果が要求される。昆布についてはカイゲン、ハマナスの研究については協和発酵、タマネギの技術に関しては大塚食品の協力を得ている。更に、販売部門の協力を得られるともっと助かる面がある。ベンチャーもいろいろ立ち上げており、僅かな工夫で売れるものを作ることができることが分かってきた。 西村座長:健康に関しての研究は、人を介した検証を行っていかなければならない。マーケッティングを行い、売価を明らかにして製品開発をする必要もある。原料についても、そうして探していかなければならない。ビッグワールドの企業戦略について教えてほしい。 河原先生:公的支援を受けたが、マーケッティングと汎用性を問われた。バイプロダクトの利用も考える必要もある。コンポスト化は、使う側の農家の意見が重要なので、自分たちは諦めた。大学の研究室では、微生物を利用した方法が主流だが、ミミズを生かすと植物病原菌に対する効果があることが分かった。シマミミズを利用しているが、これ自体が釣りの餌になり、同時に良い肥料ができればと思っている。 西村座長:小野寺さんに伺いたいが、独自のニンニクの種というのはどの様なものか? 小野寺氏:割ってみると、果肉がピンクで、辛味があり生食用には向かないが、加工用には問題がないと思われる。今年度から本格生産に入るが、加工業者と忌憚のない意見交換が製品化に役立った。特別栽培なので難しいところもあるが、労働生産性も上げることができたと思っている。地種なので、ウィルスフリー化を是非したいと思っている。バレイショの種も、マイクロチューバを利用した、自農場での一貫生産を目指したいと思っている。加工業者とも協力して、消費者に一歩でも近付いて行きたいと思う。 西村座長:タマネギについては関西方面の嗜好と北海道とは大夫違う。辛味が強いのは関西では嫌われるが、その分生理活性が強い。こうしたことに注目する必要があるだろう。 浅野氏:消費者が見えないと言うことを話している人がいるが、自分自身も消費者なのに何故なのだろうか?生産者としてはコストダウンが必要で、質を上げることも必要だろう。質とは何か、良いものとは何かについて会場からの意見がほしい。 西村座長:ハクランの話があったが、遺伝子組み換えについては小野寺さんどの様に思うか? 小野寺氏:遺伝子組み換えの公聴会に参加したが、安全かどうかばかりに話が向かう。既に、遺伝子組換えが関係する食品が過半数で、表示をしっかりすることが重要だろうと思う。しっかりしたデータもほしいので、道庁にはそうしたことを嘆願書にまとめて提出した。 西村座長:道庁には仕組みをしっかり作ってほしい と思っており、農業試験場などでも試験研究をしてほしいと思う。 小野寺氏:繰り返すが、僅かでも入っているものについては、必ず表示してほしいと思っている。 西村座長:ウリ類を栽培するときにはネギ類を植えるとフザリウムの防除になるなどの安全な方法がある。こうした方法に加えて、組換え技術も有効なので、研究が発展してほしい。地域食品加工技術センターの厚谷理事長に、財団の今後の方針についてお話し願いたい。 厚谷理事長:健康食品の産業が1兆円産業になるとのことで、消費者の受け止め方や、分かり難い言葉の氾濫などについて考えた。こうしたことを改善していくべきではないかと思っている。所謂、医食同源に立ち返ることが重要で、素材が活かされた美味しい食品を作ることが重要と考える。そうした点から、河原先生のお話は大変参考になった。普通の食事をしていると健康になれる様なものを、地域材料で作ることが目標ではないか。 西村座長:食の多様化が進んでおり、スローフード やフェアトレードにも携わっているが、そうしたことも地産地消に役立つと思う。 厚谷理事長:北海道庁は食と観光を重視していると言うが、その分野の予算が削られている。こうした問題を注目してほしい。 冨田会長:オホーツク圏でどの様な農業をするのかと言うことが問題だ。また、道庁が予算を削っていることは大問題である。医食同源は大切だが、実際にどの様に効果が出るのかを明らかにしていく必要があろう。こうしたデータを元に、農業政策も考えるべきだ。 西村座長:自分は新幹線構想に反対しているが、同構想は道の負担が5,000億円にもなり、それだけの余裕があるなら食に予算を付けてほしい。 新明先生:北海道の食材には興味があり、よく食べている。また、漢方薬の原料についても興味がある。コンポストに関しては、日本全体のホールで見るとリンと窒素が溢れることになる。輸入食品の傍らで、こうしたものを輸出してはどうかと考えている。 宮井氏:農家に役立つ講演はなかなか無く、特に日本発の農業に役立つ技術開発がない。ほとんど役立つ技術はアメリカ発で、国産の役立つ技術は明治にできたものだったりする。スローフードについても、小さな農家を守ると言う姿勢がない。 西村座長:確かにおかしなところがあり、これからも意見を出していきたい。 (文責:富永一哉 企画運営委員)
北見交流事業開催風景 去る6月28日、NPO近畿バイオインダストリー振興会議との交流協定記念講演会を開催し、5名の講師に講演いただきました。以下に松村健氏の講演要旨を報告します。4名の方の要旨は次号に掲載いたします。
「機能性分子発現組換え植物の開発」 (独)産業技術総合研究所ゲノムファクトリー研究部門
植物分子工学研究グループ・グループリーダー 松村 健 氏 1.はじめに
現在,遺伝子組換え作物(GMO)の栽培面積は6770万haで日本の面積の1.7倍であり、栽培されている作物としては、組換え大豆が最も多く、全体の約61%を占める。国別作付面積では米国、アルゼンチン、カナダ、ブラジル、中国、南アの順であるが、EUでも近年作付けされている。これまでのGMOのイメージは生産者にメリットを感じるが、組換え技術は他にも波及する技術であり、これからは物質生産や健康機能性を追求する方向にある。また、環境や花などへの応用も可能である。 2.医療用タンパク質を植物で作らせる意義 近年、医療用タンパク質生産は、飛躍的に増加する需要に比べて動物細胞培養タンクの絶対数が少ないこと、培地が高価でしかもウシ血清利用に伴うBSEの問題等がある。この医療用タンパク質を植物で作らせたら安価に、かつ、病原体購入のリスクを極めて低減できる。現在、抗体、ワクチン、血液製剤、サイトカイン、治療用・産業用酵素等の植物生産系が欧米企業で盛んに研究されており、その出資元は、ジョンソン&ジョンソン、イーライリリー、ノバルティス、ダウ、モンサント、デュポンなどの大企業である。 3.経口ワクチンの開発 我々のグループは、ヒト・動物由来サイトカインおよび経口ワクチンの開発を行ってきている。最近では、ニワトリの原虫病ワクチンの開発で成果を見出している。ニワトリ原虫病は、国内で年間数千万羽が罹患し、その被害は大きい。また、孵化のヒナへの注射によるワクチン投与は、雛の成育に伴い、その力価はだんだん落ちてくる。しかし、もう一度ワクチン注射するには、一軒の養鶏農家の飼育羽数が数万羽から数十万羽であることを考慮すると不可能に近い。経口ワクチンがあればエサに入れるだけでいいが、大腸菌生産ではコストがかかりすぎる。そこで、ニワトリに対して感染性のないウイルス外被タンパク質の遺伝子にワクチン遺伝子を連結して、ジャガイモで経口ワクチン成分を作らせた。このジャガイモの葉を凍結乾燥し、粉末化して鶏に飼料と混合して食べさせたところニワトリ血液中の抗体力価が上昇し、ワクチンとして有効であることが確認できた。 4.機能性食品 −ラクトフェリンの発現− 苺の果実で牛乳のラクトフェリンと言うタンパク質を発現させることができた。新聞、雑誌等で紹介されたが、遺伝子組換え作物にもかかわらず生産者、一般消費者からの反応がよかったので正直ビックリした。その理由は正直わからないが、育児雑誌等でラクトフェリンが体によいという情報がお母さん方に広く伝わっていたこと、苺という主食ではない嗜好品のイメージがよかったのではないかと勝手に考えている。この様に、植物の遺伝子組換え技術の利用方法は多岐に渡り、利用の可能性はこれから展開していくだろうと考えるが、残念ながら北海道の条例しだいでは一般栽培はもとより、試験試験もできなくなる可能性がある。 ある生協で遺伝子組換え無しと、不分別との売り上げを纏めたところ、キャノーラ油で、遺伝子組換え無しが2.7億円、不分別が7億円、マーガリンは遺伝子組換え無しが2億円、不分別が2.7億円と不分別が売れた。醤油は遺伝子組換え無しが、2.7億円、不分別が1.5億円でノンGMが売れた。 消費者によっては、GM製品を選択しない人もいれば、一方、価格を考慮してGM混入の可能性がある製品でも選択する人の割合も、その数倍居ることが伺える。 HOBIAとNPO近畿バイオインダストリー振興会議は、協同してバイオ産業振興をはかるため、交流協定を締結しました。今後は、それぞれの地域特性を生かしながら、連携してビジネスチャンス拡大を図ります。 6月28日(月)、札幌において交流協定締結式を執り行い、交流協定書に冨田房男・HOBIA会長と清水當尚・近畿バイオインダストリー振興会議理事長がサインし、がっちりと握手を交わしました。国内のバイオ関連団体・NPOが、協定を結ぶのは初めてのことです。締結式には、両NPO法人関係者ら約50人が参加しました。交流協定書には、下記の各項について交流を推進していく旨、明記しています。 1. 両機関にとって関心のある大学、国公立試験研究機関、産業界のバイオ技術シーズとニーズを積極的に結びつけ、これらの連携事業を推進するための交流 2. 両機関にとって関心のある研究開発の推進、人材の育成、研究会・シンポジウムによる普及啓発活動等の交流 3. 両機関にとって関心のある分野・地域での国際交流の推進 締結式終了後、記念講演会を行い、近畿の大学発バイオベンチャーを起業した研究者2名、道内のベンチャー企業経営者等計5名が講演しました。 続けて交流協定締結記念祝賀会を札幌ガーデンパレスホテルにて開催しました。ご来賓の近畿経済局産業企画部バイオインダストリー振興室長・伊藤哲郎氏から「バイオ分野において高い評価を得ている北海道と近畿が、全国で初めての交流協定を結んだのはたいへん喜ばしいことです。両地域には、引き続きスピード感あふれる活動を続けていただきたい」というお祝辞を頂戴しました。続いて北海道経済部新産業振興室長・高橋了氏から「北海道の経済状況はふるわないところもありますが、バイオ分野は急成長しています。北海道はキーパーソンとなる人、人材にめぐまれており、道としてもバイオ産業振興に力をいれていきます」と激励の言葉を頂戴し、札幌市経済局産業振興部長・谷口芳憲氏から「民間の上田市長が就任し、産業振興に益々力をいれています。市としてはコンベンション誘致などに加え、ITとバイオ産業振興を特に支援していきたい」と力強い言葉をいただきました。近畿バイオインダストリー振興会議の新名惇彦・副理事長による「50年後の将来を見据えた北海道に!」との乾杯のご発声で、北海道と近畿の約50名の参加者が交流し、両地域のバイオ企業の特性や、研究分野について熱心に語り合う姿がみられました。 交流協定締結式で握手を交わす両NPO代表
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